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昨日の続きになります。先月、「富士山噴火と南足柄」の講演会にて、神奈川県温泉地学研究所の主任研究員である萬年氏からお話を伺いました。
自治体が公表しているハザードマップ改定版に関する資料や、講演後購入した萬年氏の著書「最新科学が映し出す火山」も参照にさせていただき、私なりに理解すると、
①溶岩流:開成町に到達する可能性はゼロではないが、ほぼゼロ。
②降灰:起こり得る。事前の知識と備蓄が不可欠。復旧に長期間を要す。
となります。
溶岩流が開成町に到達する確率は?
今回シミュレーション見直しによるハザードマップ改定において、“開成町に溶岩流が到達する事態”が想定されるケースは?
①2億㎥以上の規模の中規模もしくは大規模噴火が、
②想定される噴火口160地点のうち5地点のいずれから噴火した場合、
となります。
①に該当する噴火、すなわち2億㎥以上の噴火は、過去5,600年間で7回。
単純計算で800年に1度となります。
ただ、2億㎥以上の噴火は1707年の宝永噴火(6.8億㎥)以降、約300年間発生していないことから、今年の確率は計算上は1回/800年よりも多少高くなっています。
それでも、萬年氏は“実際に今回改定された想定到達地点まで溶岩流は到達する可能性はより低いのでは”との考えを示されました。
その根拠としては、
①過去最大規模の貞観噴火(13億㎥)は2年間にわたって噴火が続いたとされており、想定される規模の溶岩流が1回の噴火でまとまって噴出するわけではないこと、
②山梨県大月市の猿橋溶岩流などの過去に実際に起きた最大の“実績”との比較、
を挙げられました。
0.1%の確率を例えると
話は逸れて、確率の話です。数学のプロではないので、“考え方”として正しいか100%の自信はありませんが、800年に1度のことが今年起きる確率は0.125%です。
コインを投げて10回連続同じ面が出る確率、10年間アメリカの航空機に毎日搭乗して死亡事故に遭遇する確率(https://keisan.casio.jp このサイト、マニアックで面白いです)などとほぼ同じです。直感的に『それは起こり得る』と感じる人もおられるかと思いますが、数字上はこうなっています。
ただ、自分のところまで到達しなければそれでいいという訳にもいきません。富士山に限らず活火山により近いところにお住まいの方々にとっては、より規模の小さい噴火でも溶岩流や火砕流、火山泥流などが流れ込むリスクがあることから、避難や救援体制の構築など自治体間で連携・協力し、国をあげて取り組まなければならない課題であることに変わりません。
次回、降灰について書かせていただきます。
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先見と行動山神 ゆたか
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