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※前日までの続きで、”スマート農業 その3とその4”を掲載予定ですが、富士山噴火ハザードマップの件を割り込みさせていただきます。
コロナ重点措置が延長される見込みです。”コロナ保険に加入殺到”との報道も。残念ながら長期化、ウィズコロナで乗り越えていきましょう!
さて、先月、お隣の南足柄市で開催された「市民防災の集い」に参加させていただきました。テーマは“富士山噴火と南足柄”。
昨年3月に富士山ハザードマップが17年ぶりに改定され、神奈川県西部の一部に“溶岩流が到達する可能性がある”との被害想定に見直されました。溶岩流?私を含め驚かれた方も少なくないと思われ、関心の高さから、会場(南足柄市文化会館小ホール)は間隔を空けて定員の半数以下ながら満席、キャンセル待ちの状況でした。
講師は神奈川県温泉地学研究所の主任研究員である萬年氏。この道のプロである上、開成町在住で地元情報にも詳しく、一般人が何に関心があるかを知り尽くしたポイントの押さえ方も素晴らしかったです。物理的には密回避も、内容的にはとても充実、高密度の1時間半でした。
私の理解では
私なりの解釈としては、
①溶岩流:開成町に到達する可能性はゼロではないが、ゼロに近い。
②降灰:起こり得る。事前の知識と備蓄が不可欠。復旧に長期間を要す。となります。
※今回の改定作業に降灰は含まれておらず、2004年のハザードマップ被害想定と変わっていません。
順をおって講演内容を要約しますが、復習の意味も兼ね、静岡県や開成町が公表しているハザードマップ改定に関する資料と、講演後購入した萬年氏の著書「最新科学が映し出す火山」も参照にしました。
とにかく詳しい情報を早く確認されたい方は、こちらの自治体のホームページ(静岡県HP、開成町HP)へアクセスください。
富士山ハザードマップ作成までの経緯
裏話的なこともご披露いただき、結構楽しかったのです。富士山のハザードマップが作成されるまでの経緯について、1980年代以降、北海道駒ケ岳や浅間山などですでに作成されていましたが(名称は“危険区域予測図”など異なりますが)、富士山は2004年。遅くなった背景には、観光等への影響が非常に大きいことへの地元の懸念があったとのこと。そして作成側もそれを理解した、ということのようです。
私も過去に7度登頂、主な4ルートすべてを経験しましたが、確かに当時その危険度を認識していれば止めていたかもしれません。話は思いっ切り逸れますが、小学生低学年だった息子と1度、娘たちと2度登ったあの日の思い出は今でも鮮明です。よく頑張った!超親ばかです。
改定のきっかけは?
さて、なぜ今回改定されたのでしょうか?公式の文書等では、“新たな科学的知見が蓄積されたため”などの説明がなされております。シミュレーションの多様化等をみれば、その通りと言えます。
一報、萬年氏の言葉を借りると「東日本大震災を受け、とにかく“想定外”をなくすことが目的だった。想定される最大の被害予想をシミュレーションし、公表することが大事であると、考え方が変わったため」とのことでした。
最大規模の噴火の前提を見直し
“最大規模”の前提が、1707年の宝永噴火の噴出量7億㎥から、過去5,600年間で最大の噴火だった864~866年の貞観噴火の13億㎥に変更されました、想定規模を約2倍にしたわけです。
加えて、想定される火口の範囲を拡大し、想定される噴火口の数も改定前の5倍に増やし、大規模噴火・中規模噴火・小規模噴火に分けて合計252地点でのシミュレーションを行うなど、“最大規模の被害”を想定したものに見直されました。
次回、溶岩流が開成町まで到達する可能性など、詳細についてお伝えします。
#聞きます #やります #やり遂げます
先見と行動山神 ゆたか
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