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10月6日(木)、静岡市を訪れました。先日の台風15号(9月23日~24日)による洪水・浸水被害がどこで、どのように起きたかを、この目で見るために。

一応、スコップと長靴等を持参、そういう現場があれば働く準備だけはしていきました。ただ、発災から約2週間が経過、橋や道路の修復作業や民家の修繕作業は行われておりましたが、土砂掻き出しなどの段階はすでに終えておりました。

清水区の巴川流域

何か所か見て回りましたが、まず2級河川・巴川流域を歩きました。川幅は35m前後。

調べてみると、川の勾配が非常に緩やかで流下能力が低いため、過去に何度も洪水による被害が発生している川でした(※1)。

※1:
昭和49年7月 総雨量508mm、浸水家屋26,156戸
昭和57年9月 総雨量497mm、浸水家屋4,312戸
平成3年9月 総雨量523mm、浸水家屋534戸
他4回

平成11年に大谷放水路が完成したことで、巴川からの溢水や破堤による被害はなくなったものの、内水による浸水被害はその後も発生しました(※2)

※2:
平成15年7月 総雨量345mm、浸水家屋806戸
平成26年10月 総雨量363mm、浸水家屋1,543戸
他5回

そして、今回の台風15号を受け、大谷川放水路が共用されてから初めて巴川から溢水したことになります。地球温暖化による異常気象との関連を指摘できるだけの知見とデータもまだありませんが、自然災害が激甚化していることは確かです。

今回台風15号の被害状況

静岡市の発表によれば、降り始めからの総雨量(累加降水量)が市内で最大となったのは平山地区の496mm

昭和49年以降で市内最大の累加降水量は、平成3年9月に記録した523mm、24時間雨量では平成15年7月の508mmが最大です(静岡地方気象台のデータより)。今回はそれに迫る、ほぼ過去最大規模の雨がより短時間のうちに降ったことになります。

赤字の数字は静岡大学が調査した浸水深(国土地理院の地図に山神が情報を追加したもの)

家屋への浸水は、河川毎にはまだ発表されていませんが、市内全域で床上1,625棟、床下849棟。平成26年10月とほぼ同規模の被害が8年度に再び発生してしまった格好です(浸水エリアは同じではありません)。

因みに、開成町のハザードマップ上の“想定し得る最大規模の日総雨量”は酒匂川530mm、仙了川344mm、要定川336mmです。気候も地形も異なりますが、わずか70㎞しか離れていないところで起きた現実、 “酒匂川530mm“は文字通り、真に想定すべきと思われます。

意外だったこと

市では、23日20:15、市南部の土砂災害警戒区域等に避難指示を発表。以降、翌24日1:50にかけて4区域を対象に順次、避難指示を発表しました。対象世帯数は合計165,842世帯、対象人数は382,021人に上ります。市では76か所の避難所を開設しました。

果たしてどれくらいの人々が避難したか?市のHPによれば、”41世帯、87人”だけでした。巴川が溢水した清水区は8世帯、15人でした。

平成以降だけでも10回も浸水被害を受けている地域であり、住民の経験則から、垂直避難すれば大丈夫、避難しない方が安全、との判断がなされたものと解釈されます。また、深夜であったことも影響したでしょう。

人的被害はゼロ。死傷者が出なかったことは何よりです。ただ、避難者の少なさには驚きました。開設された76か所の避難所の多くで避難者なしだったでしょう。それでも、当然開設しなければなりません。24日14:45に75か所が閉鎖されました。

次回、現地の視察結果についてご報告いたします。

https://yamagamiyutaka.com/archives/7487

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山神 ゆたか

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