「南足柄市と横浜国大”起業を用いて課題解決” 8日から講座」と先週、神静民報さんが報じておりました。
両者は5月に包括連携協定を締結(詳細はこちらの市HPから。横浜国大としては県内7市町と締結済み)。そして今月、具体的な取り組みとして「実践 地域と起業」と題して、学生19名と教授3名が市内企業や店舗を訪問、見学・体験・聞き取りなどを通して”起業による課題(高齢化、過疎化、伝統産業の衰退など)の解決のプランを考案する、とのこと。私が取り組みたいのは正にこれです!
近年、大学や大学院では国の課題(少子高齢・人口減少、大都市圏への人口集中と地方の衰退 ≓ 所謂”地方創生”、観光振興、農産物等のブランド化等々)に関する研究やそれらの解決に向けた実際の活動が一段と活発化している。
地方の国立大学を中心に、地方創生を専門的に学ぶ学部や学科も創設も相次いでおり(参考記事はこちらから)、その研究対象や実証実験をする場所が欲しいというニーズが存在する。一方、特に地方の市町村は前述の通りの課題の解決のために、大学をはじめとする各方面と連携が不可欠であり、双方のニーズはマッチしている。
大学との連携において、課題解決という本来の目的以外に副次的な効果も期待できる。
①関係人口が増える。今回の南足柄市の例で言えば、学生・教授22名が仮に今後10年間訪れた場合は延べ220人の関係人口が増える。将来、今回の縁が個人的な交友関係に発展、持続したり、観光に訪れたり、移住者のたまごとなりえるわけである。
②他分野での連携に発展する可能性。(包括連携の場合は当初から複数の分野での連携が契約に含まれているが)例えば、当初は地方創生分野だけで連携していたものが、関係が濃くなり、教育分野などでの連携にも深まるような展開が想定し得る。
学生ボランティアによる学習指導などにとどまらず、玉川大学の開発した英語教育プログラムを町田市が採用するなど特定分野の細分化されたニーズへ対応する事例もあり、大学が貢献できる余地はまだ大きいと考えられます。
因みに、10年前に地域活性化センターが発行した”大学等との連携による地域の活性化事例集”、この時点で既に214もの実例が紹介されております。掲載されている明治大学と神奈川県三浦市との連携(アンテナショップとマーケティング教育。情報の受発信基地の形成)は今日も継続中であり、長期にわたり良好関係が維持されていることが窺われるとともに、連携の効果が今後ますます発揮されることが期待されます。
最後に、先に紹介した南足柄市と横浜国大の連携。今回のテーマが”起業”であることから、足柄産業集積ビレッジ構想を平成18年にともに策定した開成町も何らかの関わりを持たせていただくことはできなかったか?との思いであります。