先週8/11(土)付けの日経新聞朝刊に”猛暑なのに節電要請いらず、なぜ”との記事が掲載されておりました。エアコン使用が増えている一方で、2011年以降、稼働する原発は大幅減少しているにも関わらず、なぜ足りているか?
答えは”太陽光発電が支えているから”でした。東京電力管内の日々の電力需要は5000万キロワットを超えるが、太陽光発電でおおよそ1000万キロワット≓1/5を賄えているため、余裕ができているとのこと。因みに東電管内の原発は、東日本大震災前は電力供給の30%弱を占めていたが、今はゼロです。
○温室効果ガス削減のために
国レベルでは2030年までに、エネルギー自給率を現在の約7%から25%へ、再生可能エネルギー(水力、地熱、バイオマス、風力、太陽光など)を現在の約15%から22~24%へそれぞれ引き上げることを政策目標に掲げております。
太陽光発電は2012年に固定価格買取制度が発足して以降、設備・発電量ともに急速に伸びております。他の再生可能エネルギーの普及が求められるところかも知れませんが、近年の地球温暖化の影響とされる気温上昇や世界的な異常気象を受け、温室効果ガス(CO2など)を削減する必要性はますます強まっており、太陽光発電の一段の普及はその削減に資するものであることに変わりはありません。
○基礎自治体の取り組み
基礎自治体においても、地球環境に配慮し、温暖化防止への取り組みを積極化させることが時代の要請だと思われます。開成町においても、新庁舎がZEB認定を受けた流れを活かし、省エネ・創エネの策を打ち出すには格好のタイミングです。
太陽光発電に関して、まずは、小田原市がすでに取り組んでいる公共施設などへの”屋根貸し事業”(詳しくはこちらから)が検討可能ではないでしょうか。固定価格買取制度が発足10年経過後、どのように見直されていくか、その買取価格が低下傾向にあることなどが懸念材料ではありますが、災害時などの停電への対策にもなることを勘案すれば、取り組みの意義は大きいです。
個人住居への太陽光発電設備設置やゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)、蓄電システムへの補助金は国や県で予算額に限りはあるものの用意されております。国家の方針に基づく制度であり、活用されてしかるべきと思いますが、住居を購入・建築できる世帯のみが対象になる、一種の逆進性があることから(敢えてそれを狙う戦略も否定はしませんが)、基礎自治体までもが積極的に取り組むものではないと考えます。
○電力需要のピーク時間帯に変化
記事では”暑さのピーク≓電力需要のピークが、昔は午後2時か3時頃だったが、今は夕方にシフトしており、太陽光発電の出力のピークと時差が生じている”としている。この問題を解決する術のひとつは蓄電だと思われるが、まだまだ高価で、ある試算によれば太陽光発電の様に10年で初期コストが回収できるようなものではなかった。また、停電時の使用可能時間も一般家庭の標準モデルで数時間程度とされており、その普及には課題が多そうとの印象でした。
最近話題のサマータイム。その導入が電力消費を減少させ、且つ電力需要のピークがずれるとの見方がありますが、その真逆の意見や検証結果もあります。省エネなどエネルギー関連の視点以外の様々な判断基準に基づき決められていくのでしょう。