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12月12日、開成町主催の防災講演会に参加しました。町の地域防災リーダーや自治会関係者など数十名が参加され、関心の高さがうかがえました。

テーマ

テーマは「女性視点にたった防災対策、避難所対応」。講師は東京都渋谷に本部をかまえるNPO法人ママプラグの宮丸理事。

NPO法人ママプラグ

東日本大震災を機に防災事業を開始。被災者の生の声を聞く中で、本当に必要な支援とは何かを見つめ直し、「子連れ防災手帳」を出版。防災マニュアルに生活者目線が乏しいことを疑問視、被災地で困っているお母さんを助けるために活動を本格化させたとのことです。(ホームページはこちらから

事前の備えのポイント!

講演内容は、被災した際に困らないための事前の備えは?避難所等で如何に生活していくか?が中心でした。風水害、地震など発災時に命を守るためにどう行動するかについて、女性ならでは視点での知恵や見解を期待していましたが、残念ながらそのような話はありませんでした。

防災関連のサイトで、“避難生活でなくて困ったもの、あってよかったもの”が一覧で掲載されています。今回うかがった中で、あらためて参考になったのは以下の情報でした。

・生活にお湯は不可欠→停電時はお湯が沸かせない→熱源が必要。カセットコンロがベスト。
・停電時はATMが止まる→お金が引き出せない→現金をある程度持っておく
・避難所のトイレは混む、汚くなってしまう。停電時や断水時は使うことすらできない。食事は我慢できても、排せつは我慢できない→簡易トイレは必需品。排せつの回数は1人、1日平均7回。家族3人で7日分だと約150個必要との計算になる。
・保存食としては栄養バランスの良い乾物がお勧め。
・女性が着替える際などにボンチョが有用。

カッパの需要!実体験から

私の実体験として、熊本県人吉市でのボランティア活動にて、支援物資の受け渡しを担いましたが、最初になくなったのがカッパでした(供給量に対して需要が強かった)。日頃からレインコート/雨合羽を常備している方は多くはないと推測される上、発災直後は多少の雨ならがれき処理や片付けを行わざるを得ない実状があるためと考えられます。是非、備蓄品にリストと同時に、支援物資を提供する際の選択肢にカッパを追加してください。

中家村自治会の女性防災団体”たんぽぽ”では、ビニルのごみ袋を使ってポンチョ/カッパを作るノウハウをお持ちです。災害発生時に実際に役立つ知恵とアイテムだと思います。

避難時の注意事項

同じく避難時については、以下のようなお知恵をいただきました。
・非難する際には自転車やベビーカーは不可。小さいお子さんは抱っこかおんぶする。
・避難所ではまずルールを決める。そして当然ながらそれを守る。
・コロナ禍での避難所では、マスク、消毒液、体温計の持参も求められる。
・避難所では口内炎の発症者が増える。

防災訓練の内容

強く共感を覚えたのが2点。
・避難生活での不便さやストレスをあらかじめ体験することによって、“生きる力”を伸ばせる。真っ暗な中で非常食を食べる、寝袋で寝るなどです。おっしゃる通りだと思います。便利に生活に慣れ過ぎると、ただでさえパニック状態でる中、そのギャップがストレスを一層強めかねないです。

・防災訓練の内容をより実践的なものに見直すべき。まったく同感です。形式的で儀式化してしまっている感があります。

女性と男性の役割分担を丸ごと入れ替えてみたら、予想通り?とても混乱したとのこと。いざという時のためには極めて有効なやり方のひとつですね。混乱することによってわかること、これが大事です。日曜日以外、もしくは平日を想定して実施することも推奨されていました、同感です。

女性の重機資格の取得

最後に、若干話が逸れますが、“女性による防災活動”と聞いてあることを思い出しました。10月に訪れた長野県小布施町で視察した“日本笑顔プロジェクト”の主に災害時を想定した“重機資格の取得”です。

災害時のボランティア活動で威力を発揮する重機(小型のユンボなど)、そのオペレーターを育成するために、2日間の講習(学科と実技)を実施し、資格の取得を推進するものです。(ホームページはこちらから

代表である住職のお話で印象的だったのが、『この資格は特に女性にお勧めです』の一言でした。力の弱い女性は被災地でのボランティア活動でできることが限られることがある、一方、重機が果たす役割は非常に大きいが資格が必要かつ資格保有者は少ない、というのがその理由です(2019年台風19号での千曲川水害発生時、長野県を訪れたボランティア約7万人のうち、資格保有者は600人だったとのこと)。

ちなみに、このプロジェクトは2019年の千曲川氾濫による災害を受けて開始されたものですが、オペレーター1,000人の育成を目標に対して、すでに687人まで達成、うち3~4割が女性のようです。

#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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