昨年末、リニューアルされた東京都渋谷区の宮下公園を見てきました。厳密には明治大学大学院の授業であり、有難いことに修了生にもお声かけいただき、遠慮なく参加させていただいたものです。

渋谷を歩いたのは少なくとも5年以上ぶり、記憶が定かでありません。折角なので原宿から歩き、都会の空気を吸ってみることにしました。案の定、若者ばかりで完全に平均年齢を引き上げてました。やっぱり開成町の水が合うなんて考えながら、不審者と思われない程度にキョロキョロしながら会場に向かいました。

<宮下公園とは>
宮下公園は渋谷駅から徒歩3分、JRの線路沿いの330m・1haの都市公園です。昭和28年・1953年に開設された歴史を誇ります。幾度かの再整備を経て、2014年に、既存の公園・駐車場の機能ににぎわいの拠点と宿泊施設を加えた整備計画が打ち出されました。経年劣化等による耐震性の課題や倒木のリスクなども背景にあったとのことです。公募プロポーザルにて、三井不動産が落札、約7年の年月をかけて昨年から順次竣工となりました。

1、2階が90店舗が軒を連ねる商業施設、屋上が公園、公園の端にホテルのつくりに生まれ変わりました。より長時間滞在してもらう狙いからスケートボードやボルダリングの施設、それらと親和性の高いスポーツブランドがある一方で、高級ブランド店やシェアオフィスも入居するなど、多様性に対応したコンテンツでした。区内で歴史を有するお祭りやイベントの会場としても利用されるなど、地元民が関わり集う仕掛けも施されていました。


<事業内容>
官民連携による事業で、
・30年間の事業用定期借地権契約に基づき三井不動産が施設を整備し、
・屋上の専用使用権は渋谷区に無償で付与され、
・駐車場などの付帯設備は渋谷区に譲渡される内容でした。

<官民連携>
私は、元来、“東京”の案件を視察したり、取り組みを参考することにあまり積極的ではありません。何故なら、共通の社会課題は少なくないものの、まずは財政力が著しく異なること、加えて人口規模や人口密度、交通網、働く場などの差が大き過ぎるため、参考にすらならないことが多いためです。ただ、アイディアとしてヒントとなる可能性があることや、ハード、ソフト問わず、生き方や考え方を含めた多くのことが“東京化“、さらに遡ると欧米化するパターんが多いため、東京や大都市以外の地方の将来を見通す上でヒントが得られることはあります。

今回もそのような視点で視察しましたが、参考になるとすれば、官民連携の取り組みである点です。民間の資金や実績に裏付けられた知恵を如何に活かすか?が全国どこの自治体でもカギになるであろうということ。民間としても採算がとれる見込みがなければ参入しない訳で、定期借地にしてもその賃料にしても、ビジネスプランがたてられる案件か組成できるかがカギとなるでしょう。

また、“にぎわいの創出”を目指す中で、スポーツがひとつのコンテンツとして組み込まれたことも興味深ったです。ややもすると、屋外の場合は、にぎわいを通り越して騒音や治安の悪化などネガティブな先入観もありますが、人々が訪れ、滞在し、交流することを目指す上でスポーツはやはり重要な仕掛けのひとつと言えそうです。

そして、若者が集まる場としてカフェは、恐らくは地方でも有効だとの印象も受けました。併設されたカフェは、ひとりでパソコンに向かう学生や、カップルから数人のグループまで多様でしたが、若者でごった返していました。

岩手県紫波町のオガール紫波プロジェクトにおいて、消費頼みのまちづくりはしない、との方針が掲げられたことを思い出しました。複合施設の新設において、建設前に需要を調査し、見極め、需要が見込まれるもののみ入居可能とし、その規模も需要に応じたサイズにしたとのことでした。この宮下公園は都心の駅近という点で事情は異なるものの、我々が今後直接関わる可能性のあるプロジェクトにおいても、同様の発想が大事となるだろうとの思いにいたりました。


#聞きます #やります #やり遂げます
先見と行動
山神 ゆたか

お声をお寄せください、よろしくお願いいたします。
連絡先 : 090-1402-0005、yutaka@yamagam