前回の続きです。コロナ禍で働き方改革やデジタル化が進みました。

在宅勤務・リモートワークが普及したことによって、働き方が大きく変わった職種があります。また、デジタル化が緩やかながらも進む中で、仕事が自動化されることで人間の仕事が減るとされる職種があります。

前回は我が国の在宅勤務の状況、在宅勤務可能指数なるものについて書かせていただきました。今回はデジタル化等に伴う仕事の自動化と、行政サービスを提供する自治体サイドで予想されることなどについて述べさせていただきます。

デジタル化

企業のデジタル化はどの程度進んでいるでしょうか?会議システムや人事・会計・営業などの管理、電子決済、ロボット、AIなどのICTツールの導入率は、前回の引用させていただいた慶応大大久保教授(1/20付け日経新聞)によれば、約35%とのこと。

こちらも業種・職種によって導入の可否があることは言うまでもありません。そして、可の職種に関しては、生産性の向上や省力化などに役立つ反面、今後、人間の労働の機会・選択肢として減ったり、なくなったりすることが見込まれています。

AIやロボットによって仕事を自動化できる指数も存在します。英国で開発されたものを日本職業事情に合わせて計算し直した“自動化確率指数”という指数です。会計事務職や輸送・機械運転は80%を超える一方で、先生や保健師・看護師、管理的職業がほぼゼロとなっています。

今後、予想されること

大久保教授は、職種によるが、これら在宅勤務や自動化が進むことの影響を3つ挙げられてました。
①都会への人口集中の緩和。地方創生人材の増加。
②国際的な人材の奪い合い。副業、兼業の増加。デジタル化できる企業とできない企業の格差の拡大。
③日本人の生産年齢人国(15~64歳)は減少し続けるものの、自動化に因る省力化の効果により、外国人労働者への需要が後退。

私も、大きな方向性としては同意します。特に①は期待も含めて十分見込まれることだと思います。ただ、副業や兼業については、日本社会固有の文化・慣行もあり、全業種で真に浸透するには時間がかかりそうであり、外国人労働者への需要もコンビニ業界などでは激減する可能性あるものの、農業や建築土木、介護業界などでは労働条件等の課題により簡単には後退しない気もします。

なくなる仕事もあるでしょうが、新しく生まれる仕事もあるでしょう。カウンセラーやデータサイエンティストなどは、需要が増し、従事者が増えるとされています。

雇用環境の改善

自動化により必要とされる人間の数が減る一方で、生産年齢人口自体も減ることから、労働市場の今後の需給関係を予想するのは難しいです。ただ、いずれにせよ、仕事の自動化を通じて、日本の企業の生産性や利益率が上がり、財務体質がさらに改善することを期待します。そして、それらを受けて非正規雇用が減少し、正規社員が増え、給与が増え、福利厚生が一層充実するなど、労働者個人個人にそのメリットが還元される世の中になって欲しいと切に願います。

勿論、経済的な豊かさ=幸せではありませんし、“ウェルビーイング”がSGDs時代の重要なキーワードになりつつあると承知してますが、ワーキングプアや生活困窮家庭が増加しているのが事実です。

自動化できない仕事、すなわち人間でしかできない仕事に対する求職は増えるのではないでしょうか?そして、仮に売り手市場になったとしても、雇用条件が悪化することもないのではないでしょうか、人間にしかできないのですから。経済学者がなんと仰るか分かりませんが。

ふたつの指数から分類

大久保教授は、在宅勤務可能指数と自動化確率指数の関係から4つのカテゴリーに分類されていました。
①自動化進まず、在宅不可(保健師・看護師、農林水産、医師、薬剤師など)
②自動化は進むが、在宅不可(輸送、機械運転、清掃、建設、生産工程、飲食物調理など)
③在宅は可能だが、自動化は進まない(経営コンサル、管理的職業、研究者、教員)

④自動化が進み、在宅も可(営業・一般・会計などの事務、金融・保険、法務など)

例えば、行政として移住・定住人口と増やそうとする場合、地域的な戦略もあるでしょうが、職種による戦略もより大事になると思います。在宅勤務が可能な業種で働く企業や社員をターゲットにしたリモートワーク環境の整備、サテライトオフィス、ワーケーションオフィスや借り上げ社宅の誘致を行うことで、より効果的かつ効率的な”営業”が展開できると思います。

逆に在宅が不可の業界であれば、職住近接の発想から、企業誘致が移住増加につながる可能性が、在宅可の業界よりは高いと言えましょう。それ以前に、環境問題や業績、想定される税収など、誘致に際してより重要な項目もあるでしょうが、ひとつの大事な視点かと思います。

長くなりました。お付き合いいただき、ありがとうございました。

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先見と行動

山神 ゆたか

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