目次
北京冬季オリンピック 女子アイスホッケー、予選リーグ1位で突破!前回平昌で初勝利ですから、快挙です!夏季東京オリンピックの女子バスケを彷彿とさせます!準々決勝も期待しちゃいます。
さて、前回の続き、スマート農業の最終回となります。日本の農業の課題を確認してきました。従事者の高齢化や減少、生産性の低さ、所得の低さなどどれをとっても深刻な課題です。
担い手を増やすために、農業に関心のある方が参入する際のハードルを出来るだけ下げることが重要であり、“食べていける仕事”であるために、生産性を上げ、収益性が改善し、所得が増えることが必要だと考えます。
そのためのひとつの手段がスマート化であり、課題が深刻であるがゆえに、その威力・効果を発揮できる“余地”が大きいと考えます。
今回はスマート農業の事例を簡単に挙げさせていただき、どのくらい生産性が上がるのか、地元での成功事例もご紹介します。
スマート農業の事例
①自動走行機器
(1)自動走行のトラクター
・農水省や茨城県などでの実証実験によれば、走行距離は約10~50%削減。
・1台有人+1台無人の2台で同時作業にすると(耕起・整地+施肥など)、作業能率が1.6倍向上。
・お値段の相場は約1,500万円。
(2)自動運転の田植え機
・労働時間を20~30%削減。作業効率2倍(3アール/時間→6アール/時間)との報告も。相場は約500万円。
(3)自走草刈り機
・10アールを約40分間で草刈り。
・果樹園のすべての作業に占める草刈りの割合は約10%。その時間を削減することが可能になる。
・お値段は50~150万円
②自動収穫ロボット
(1)トマトやラズベリーの収穫ロボット
・1日あたりの収穫量で20%~50%程度増加。トマトの場合は1個1個の収穫作業は人間の作業の方が早いとされるものの、ロボットは動き続けられることから最終的な生産性は向上。ロボットに収穫を任せている間、人間は他のことができる。
(2)アスパラガス収穫ロボット
・サービスを提供するinaho社は業界で初めて従量課金制を導入。ロボットを農家に貸し出し、収穫量に応じて料金を徴収するビジネスモデル。ハードもソフトも進化、多様化しています。
③ドローン農薬散布
・10アールあたりの作業時間は80%短縮。
④水田の自動水管理システム
・見回りの減少により、作業時間は90%近く短縮。
・お値段は約50万円
ここでご紹介した事例以外にも、ドローンや人工衛星によるセンシング、AI活用の自動施肥システム、アシストスーツ等々、まだまだあります。
過日の日経新聞によれば、世界の市場規模は2025年に2兆5,000億円に膨らむとの見通しでした。
南足柄市での成功事例
スマート体験農園システム
南足柄市を拠点に活動する(株)Rootは“スマート体験農園システム”を積極展開中。経営者と高校&野球を通じた縁があったため、数年前に事業に着手された頃、我が家の畑もご利用いただいていました。(ホームページはこちらから)
「地方の農園や自治体の収益力向上支援と、現代社会のみなさまの農の営みが身近にある豊かな生活の実現」を目的として掲げられています。
基幹となる事業は“専用アプリと使ってリモートで、もしくは現地で畑を楽しむものROOT FARM”。都会に住み、農業に興味はあるがなかなか自分ではできない人を想定し、基本はRoot社が耕作を担い、会員は遠隔で生育状態をチェックしたり、収穫&配送を指示したりしつつ、時間ができたら畑に来て自ら耕作を行う仕組みです。昨年末、経営者に会いましたが、フル稼働状態で順調な様子でした。
マイビール
知らぬ間に、事業の幅がさらに大きく拡大していました。そのひとつが“マイビール”。自分だけのホップを栽培し、自分だけのビールを醸造する。Only Oneの価値が受けているということです。
鳥獣捕獲&ビジエ
もうひとつが、有害鳥獣対策の目的も兼ねた“マイわな体験ネット”。
現地で罠を組み立て、設置し、その後は猟師さんの見回りや監視カメラのライブ映像をリモートで配信。猟果に応じたジビエを進呈との仕組み。非日常体験と課題解決・農家支援を組み合わせたビジネスモデル。いやぁ、いろいろ考えます、さすがの一言です。起業や農業やソーシャルビジネス関連で多く受賞、当然の結果に思えます。
まとめとして
”スマート農業”に長くお付き合いいただき、ありがとうございました。
スマート農業は様々な課題の克服に貢献すると期待します。が、問題はコストです。概して、農業機器はそもそも高価である上、人力の代わりとなる新たな機能が追加されている分、さらに高くなっています。
如何にシェアするか?経営母体自体が大きくなるか、個人個人が連携するか、リース、レンタル業が旺盛となるか、私にはまだ分かりません。
私のよく知る積極的な専業農家の方はことごとく“ひとり”でやっています。共同経営が適さないのが農業なのか、たまたま私の知り合いだけがそうなのか?も分かりません。
あらゆる分野での様々な形のシェアリングが今後ますます活発化することだけは確かだと思います。今後の展開を見極めつつ、農家の端くれの個人として、お役に立つことがあれば関わっていきたいと思います。
#聞きます #やります #やり遂げます
先見と行動山神 ゆたか
お声をお寄せください
よろしくお願いいたします。
連絡先 :
090-1402-0005
yutaka@yamagamiyutaka.com