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北京五輪のジャンプ混合団体、何ともやるせない結果となってしまいました。今後に活かしていただくしかない感じでしょうか。思い出してしまいましたが、春の選抜高校野球で選ばれなかった聖隷クリストファー高校も切なかったです。実力で結果が決まれば諦めもつくのですが。

さて、昨日の続きとなります。日本の農業の課題を整理しつつ、開成町の農業の今についても簡単ですが、触れています。

課題④:生産性の低さ

・“生産性“にもいくつか種類がありますが、農業・農林水産業はどれにおいても低く、産業別・業種別でほぼ最下位です。

・就業者1人あたりの付加価値額で見ると、全産業の平均約810万円に対して、農林水産業は約218万円。就業1時間あたりでみても、平均4,800円に対して1,390円といずれも最下位、しかも格差が大きいです。企業の業種別でも、農業は90種類の業種の中で下から5番目、林業は同じく下から8番目です。
(※データ元:2019年 公益財団法人日本生産性本部)

・国際的な比較においても、差が際立つものがあります。
”農地10ha(約10町)あたりの就業者の数“です。米、英、独、仏がいずれも0.4人以下であるのに対して、日本は6.2人です。15倍以上の差があります。

例えば、将来、半分の”3人“を目指すとして、そのために今、何が必要かと考えた場合に、”デジタル化・スマート農業によって生産性の向上を目指すこと”がそのひとつではないかと考えます。

課題⑤:所得・収益性の低さ

・業種別の平均給与は宿泊業・飲食サービス業に次いで低く、全体平均433万円に対して、300万円となっています。
(※データ元:令和2年 国税庁民間給与実態統計調査)

農業の中でも、形態によって大きな開きがあります

農業の所得を形態別でみてみると、かなり大きな差があります。ブロイラー養鶏や養豚、酪農は1,000万円を超えている一方で、水田作は17.5万円と非常に大きな違いがあります。数字の示す通りですが、稲作は収支面では非常に厳しいと言えます。そして、全体の平均が約119万円であり、明らかに稲作が平均を押し下げている格好です。日本の農業の課題はすなわち稲作の課題、と言ってもよさそうな感じすらします。
(※データ元:令和元年 農水省。個人経営と法人経営の合計)

開成町はその稲作が中心

開成町の農業は相当程度“お米中心”となっています。耕地面積に占める水田の割合は84%と全国平均54%、県平均20%を大きく上回っています。作付けにおいても農家の93%がお米を作っており、産出高でも全体の56%を占めています。

お米中心であることは、収支面だけ考えれば厳しいことを意味し、後述するお米の余剰も踏まえれば、高付加価値化や消費促進により積極的に取り組むか、転作(他の作物の栽培に変えること)を検討する必要性が示唆されています。

しかしながら、兼業農家も少なくなく、農業以外に収入がある場合には、“儲からないから止める”という選択をされる方も増えていると思います。高齢化とともに、農家数・農業従事者が減少している一因です。

言われて久しいですが、“食べれる農業”であるために、集約・大規模化とその担い手の育成、企業の参入等が必要であることは、数字が示す通り、現時点でも変わっていません。

課題⑥:食料自給率の低さ

今更ですが、自給率が高い方がよい理由。輸入は海外の天候、自然災害、感染症、政情不安等によって不安定となるリスクがあること、世界の人口は引き続き増加中であり、世界の食料の需給がひっ迫する可能性もあることなどが挙げられます。

日本の食料自給率はカロリーベースで37%!カナダ、豪が200%以上、アメリカも100%以上であることに比べると非常に低いです。ドイツは95%、イギリスは63%。先進国で日本並みに低いのは50%のスイスくらいです。

品目別の自給率は、お米は100%。豚肉は表面上49%ですが、輸入に頼るエサを含めると6%にまで下がります。

課題⑦:お米の余剰

お米が余っています。在庫は玄米換算で352万トン、ここ数年間で最高水準に達しています。1俵=60㎏として、5,900万俵もの在庫があることになります。

まず消費量が減り続けています。さかのぼり過ぎかもしれませんが、1962年には1人あたり1年間に118㎏食べていたものが、2018年には半分以下の53.5㎏まで減りました。背景としては食文化の多様化、女性の社会進出による外食・中食の増加、人口減少などとされています。

お米の価格も下落

需給を反映する価格も下落しており、昨年は前年比で10%も下がりました。稲作農家の経営を一層圧迫する結果となっております。

とても長くなってしまいましたが、日本の農業が多くのそして深刻な課題を抱えている現状をお伝えしました。繰り返しですが、だからがゆえに、深刻であれば深刻であるほど、デジタル化やスマート農業がその威力を発揮できる“余地”があるものと考えます。

次回以降で、スマート農業の具体的な例を簡単にご紹介します。特に、実践事例として南足柄市で知人が取り組む“スマート体験農園システム”が順調に業容を拡大、実績を積み上げていることをお伝えしたいと思います。


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先見と行動

山神 ゆたか

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