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東洋大院にて、国交省都市局の現役お役人から「立地適正化計画制度によるコンパクトなまちづくり」をテーマに講義をいただきました。
コンパクトシティの今を確認しつつ、開成町にとってこの制度の意味するところをあらためて考えてみます。今回は、投稿もコンパクトにいきます。
なぜコンパクトシティ?
日本の人口、特に現役世代の人口が減り、少子高齢化が進んでいることはご承知の通りです。特に地方都市において、人口集中地区(※1)の面積が顕著に増加(※2)、即ち、“市街地が拡散し、低密度な市街地が形成されていること”が問題視されています。
厳しい財政状況の下、拡散した居住者の生活を支えるサービスを提供し続けることは困難とされることが、コンパクトなまちづくり=コンパクトシティが求められる理由です。
※1:”人口集中地区”とは?こちらをご参照ください。
※2:1970年から2015年にかけて、人口は1.2倍、人口集中地区の面積は2倍。
コンパクトなまちだと何がよい?
教科書的な説明になりますが、居住や都市機能を集積すると、
・生活の利便性の維持向上
・地域経済の活性化
・行政コストの削減
・地球環境への負荷低減
・居住地の安全性強化などの効果があるとされます。
とはいえ、代々住んでいた場所をそうそう簡単に引っ越しもできないことは国も承知しており、様々な誘導策は講じるものの、“時間をかけてゆっくりと”との思いはあるとのことでした。
かつ、それぞれの町や地域で都市機能を1か所に集めようとしているわけではなく、”中心拠点”と”生活拠点”が結ばれるネットワーク型を推進しようとしています。
立地適正化計画
コンパクトなまちづくりの計画を公式には立地適正化計画と呼びます。“20年後のまちを想定する前提”とのことです。現時点では405の都市が作成しています。
素朴な疑問として、人口3千人の村でも、人口50万人の市でも作成可能なのでしょうか?
可能です。認められれば補助金がおります。実際に県内では、相模原市(人口72万人)も藤沢市(44万人)も小田原市(19万人)も松田町(1.1万人)も作成済みです。※松田町の計画はこちらから。
いずれにせよ、小規模自治体でも作成可能です。作成に際しては、“都市機能と人口規模”に関して、各機能に対する圏域人口が目安として示されています。ご参考まで。
広域連携による方針策定
それでもなお、小規模自治体がばらばらに取り組むよりも、経済圏などを基準に広域で計画を策定した方がベターなケースもあると考えられます。
他ならぬ開成町の場合も、面積が6.55㎢と小さく、すでに十分にコンパクトな自治体です。しかしながら、近隣市町の人口減少等を踏まえれば、足柄地域としてコンパクトシティ構想を描くべきと思います。
急行が停まる開成駅圏域を拠点と位置付け、都市機能の集積を図ることが地理的条件や人口動向、開発余地などの視点で理にかなっています。
参考になり得る実例がありました。人口規模は足柄地域や県西地域よりもかなり多いですが、兵庫県の姫路市とたつの市、太子町、福崎町の4市町(人口約66万人)が広域連携で“方針”を策定していました。
“計画”はあくまで市町村単位、という何ともお役所的な決めが残っているものの、鉄道駅の圏域を拠点としたり、公共施設の役割分担などが決められていました。
ちなみに、市町単体よりも広域連携の方が補助率が高いとのことです。また、今後、国交省としても広域連携のあり方を前向きに捉え直す方向にあるとのことでした。
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先見と行動山神 ゆたか
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