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「自治体総合フェア」(5/18~20@東京ビッグサイト)にて、いくつかのカンファレンスに参加。その中で最も人を集めていたのが「スマートモビリティへの取り組み~AIデマンド交通の現在~」でした。

参加者の多くは全国の自治体関係者。“AI”&“デマンド交通”への関心の高さが窺い知れました。既に、多くの自治体で実証実験が行われていたり、実用化されていますが、“今後検討中や検討中”の自治体もさぞかし多いのだろうと感じました。

講師は(株)未来シェアの代表。同社は、公立はこだて未来大学から誕生したベンチャー企業、函館市に本社を構えます。※HPはこちらから。

SAVS ?

今回プレゼンされたのは、“SAVSを中心としたリアルタイム・オンデマンド・乗合い配車決定システム”です。と言われても???。

SAVSとは?

まず、SAVS(“サブス“と発音されてました)とは、Smart Access Vehicle Serviceの略。“タクシーなどのデマンド交通と路線バスなどの乗合い交通の長所を掛け合わせた、AIによるリアルタイムの便乗配車計算を行うサービス”を意味します。

要は、“人工知能を活用して、人や物をできるだけ効率的に運ぶことによって、課題を克服するのみならず、新たなサービスを創り出し、サービスの質の向上を目指すもの”ということだと思います。

“リアルタイム・オンデマンド・乗合い配車決定システム”

“リアルタイム・オンデマンド・乗合い配車決定システム”とは?

・基本的には“タクシー”です。配車依頼をして、目的地まで送り届ける機能があり、
・そこに“乗り合い”の機能が加えられ、実車中に空き座席があれば活用されるもの。

・所謂“乗合いタクシー”と異なるのは、乗合い相手がいなくても100%乗車できること、事前の予約は不要で、乗りたいときに配車依頼ができることなどです。

・デメリットもあります。最初に乗車した人は、後から同乗する人が現れた場合、迂回・遠回りを余儀なくされることです。このデメリット・弱みをお客さんにもシェアしてもらうとの考え方です。

結局、巡回バスは遠回りで時間がかかること、デマンドバスは迎えに来てもらうまでに時間がかかることなど、タクシーは行政が提供するサービスよりは高額になるなど、それぞれ課題があるわけで、それらとの比較になります。

このサービスを使って克服を目指す課題とは?

都会の課題と地方の課題は両極端のものもありますが、
・高齢者の移動手段確保、
・公共交通の廃止とその代替手段確保、
・ドライバー不足、
・交通渋滞、
・地球温暖化などです。

目的次第で、大都会でも、地方の限界集落でも応用がきき、どこでも適用できるものと理解しました。

基本はスマホアプリですが、高齢者のニーズに対応する目的も想定し、電話での配車リクエストも可能です。

実はこのシステムは、すでにいくつかの事業に組み込まれているとのこと。JTBによる観光スポットへの配車サービス、NTTドコモによるAI運行バスなどです。

実用化の事例

2018年頃から、全国各地でそれぞれの課題・目的に応じた実証実験が行われています。(詳しくはこちらの同社HPをご参照ください)
そして、すでに全国17市町で実用化されています。そのうち2つの事例を紹介します。

岡山県久米南町(人口5千人、高齢化率45%、面積79㎢)
・2020年1月 実用化。
・運賃300円。月曜~金曜。8:15~17:00。
・利用件数が倍増(巡回バス600~700件/月 → 1,400件/月)
・車両台数を2台削減(6台→4台)
・日中の利用時間のばらつきがなくなり平準化した。
・従来は通院が主たる利用目的であったが、買い物やレジャー目的が増加。外出が増えた!
・当初は人を運ぶだけだったが、荷物だけを運ぶ依頼や、フードデリバリーにも活用されるようになった。

岩手県紫波町(人口3.3万人、面積239㎢)
・2020年4月 実用化。
・大人500円、小人200円。毎日運行。8:00~17:30。
・利用件数が倍以上に増加(巡回バス700~800件/月 → 1,800件/月)
・3セクの天然温浴施設“ラフランス温泉”の利用者が増加。
・利用データを活用して、車両台数を適正化(平日4台、土日祝日2台)
・ワクチンの集団接種日には台数増加

AIデマンド交通の今

進化していますね。導入にいくらかかるかが大事になってきますが(※1)、実証実験における効果をみる限りでは十分検討に値しそうです。
※1:初期費用50万円~+各種ライセンス5万円~+従量料金

小規模自治体、厳密には面積の狭い自治体の場合は、やはり広域連携を前提にした方が費用対効果はよさそうに思えます。

検討しているうちにどんどん新しいサービスが出てきそうですが、地域の事情に見合ったものが第一条件です。そのためにも、地域のニーズを把握すること、データを活用した最適化が不可欠なため、実証実験のプロセスがまずは必要となりましょう。

#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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