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図書館探訪記、昨年を中心に訪れた順番にお届けしています。開成町の参考になるものはあるか?あれば何が? 今回は静岡市と愛知県安城市の計3館についてお伝えします。安城市図書情報館、圧巻でした。いやまいりました。

静岡市立御幸図書館
☆☆☆☆☆☆☆

静岡市は人口約69万人、政令指定都市。市立図書館は全部で12館。

御幸図書館は、市街地中心部の複合商業施設「ペガサート」の2フロアに入居。新静岡駅から徒歩1分と利便性は最高。

特徴&印象

・“ビジネス支援サービス”の充実が最大の特色。
具体的には、400種類もある新聞・雑誌の半分以上がビジネス関連であること、約30台もPCが設置されていること、多くの商用データベースにアクセスできることなど。

市内12館のうち、蔵書数は6位も、入館者数は1位であることはこの特徴に因るところがありそう。

・もう一つの特徴が“多言語サービス”の充実。英語等々、日本以外の書籍が明らかに多かったです。市内在住の外国人の比率が約4%と全国平均の1%よりもはるかに高いことも背景のひとつか。

“こういう図書館が開成町にもあったらいいなぁ度”は7点。☆☆☆☆☆☆☆

人口等々前提条件が大きく異なる上、ビジネス支援はいずれに自治体でも非常に重要であると認識しているものの、多様な住民ニーズを踏まえれば、町にひとつの図書館でここまで特化することは現実的に困難であるため、多少低めになりました。

静岡市立清水中央図書館
☆☆☆☆☆☆☆

静岡市立の図書館12館のひとつ。合併前の清水市には3館、そのうちのひとつです。

特徴&印象

・何といっても、“徳川文庫の慶喜家コレクション”6,600点を収蔵していることが特色。一部は閲覧可能。

・延床面積は4,900㎡と十分広く、CD・DVDの量が多いこと、映画等が視聴できるAVホールがあることも特徴と言えそうです。

ただ、御幸図書館を見た後だからかもしれませんが、配架されている書籍が古く感じられました。合併自治体内の複数の図書館をいかにしてバランスをとっていくのか、難しい課題と感じた次第です。

“あったらいいな度”は7点です。☆☆☆☆☆☆☆

安城市図書情報館
☆☆☆☆☆☆☆☆☆

2020年 Library of the Year 優秀賞を受賞! HPはこちらから。

安城市は人口18.7万人、面積86㎢。
図書館はその名を“図書情報館”とし、これまでとは違いますよ、というメッセージが込められている印象です。民間が建設、市が買い取りのPFI方式。商業施設、駐車場、公園含めた総事業費62.5億円!

JR安城駅徒歩1分。4階建てビルの2~4階、延床面積6,800㎡。2017年開業。相当気合いの入った事業です。2018年の入館者は88万人、と順調な滑り出し。

特徴&印象

・指定管理課と思いきや市が直営!”重要視するリファレンスサービスには継続性の確保が不可欠であるため”との主旨。スタッフは70名、半分が司書資格保有者。
ICT環境も整備。自動貸出機12台。予約本受取は24時間可能。
飲食自由
2階がすべて“子ども向け”、とにかく広い。電子図書まで貸し出し。


・ティーンズ向け書籍も多数。漫画も多数
・DVDやCDも多数。とにかく何でも揃い、質量ともに充実、圧倒されました。
・学習スペースが窓際、デッキ沿い、個室等々、とにかく多い。
・大文字図書も充実。

・そして何より、平日にもかかわらず来館者多数、混んでました。
JR安城駅前から病院や商業施設が撤退し、空洞化の危機に瀕したが、大逆転の様相に見えました。

・他に公民館図書室などサービス拠点が11か所あり。

“あったらいいなぁ度”は9点。完璧すぎる!がコストも相応。☆☆☆☆☆☆☆☆☆

官民連携でもコスト削減に限界あり、現実的には町単体では手が届かない。縮小版ならいいか?と言えば、中途半端になる恐れあり。やはり、それぞれの町や市の事情やニーズに応じて考えるのが基本。

次回はに続きます。

#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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