図書館探訪記、訪れた順番にお届けしています。開成町の参考になるものはあるか?あれば何が? 今回は山梨県甲州市です。

甲州市立の図書館4館のうち、勝沼図書館と甘草屋敷子ども図書館を訪れました。それぞれ見どころがあり、分けてお届けします。今回は勝沼図書館です。

甲州市立図書館 ☆☆☆☆☆☆☆☆

甲州市は山梨県北東部に位置し、人口 約3万人、面積 約264㎢。
2005年、塩山市、勝沼町、大和村が合併して誕生。

言わずと知れた“葡萄”のまち。旧勝沼町は日本で最初にワイン醸造が始まった地とされます。ただ、行ってみると、葡萄、ぶどう、ブドウだらけではあるものの、桃やサクランボの生産もかなり盛んでした。
※甲州市立図書館のホームページはこちらから

勝沼図書館

特徴&感想

・2018年、Library of the Yearの最優秀賞とオーディンス賞に輝きました!
※関連サイトはこちらから

・Library of the Yearの基本理念は“良い図書館を良いということ“であり、選考の観点は”従来の図書館のイメージを覆す図書館サービスを提供し、これからの図書館の在り方を示唆するような先進的な活動を行っている機関を評価する“とされています。

勝沼図書館が評価されたポイントは、“土壌の研究や日本にワイン醸造をもたらした勝沼の先人たちの足跡調査や資料調査等、地域における自主的な「まなび」の実践に基づく「ぶどうとワインの資料展」を毎年実施している点、いうなればその地域だからこその知識の醸成に資している点“とのことでした。

・具体的には、1996年の開館以来、地域の特産品である「ぶどうとワイン」の資料収集を続け、22年を経てその数は3万点にまで増加、蔵書数の約1/4を占めるまでになった。それらを活かし、毎年秋、テーマを変えながら「ぶどうとワインの資料展」を開催しています。

司書らの「地元の人ほど当たり前過ぎて関心が薄い」との思いから、“人が集まる場”として開放し、若手醸造家のアサンブラージュ(ワインのブレンド)体験会を開催。“地元のワインがこれだけ美味しいことを観光客ではなく、地元の人に知ってもらうように努めた”、とのこと。

さらに、次世代に知を繋ぐために、紙芝居を作成し、市内小学校へアニマシオン(読書指導)の出張授業を実施。ワインツーリズムやフットパスの中継地点としても活用し、“ぶどうとワインの図書館”としての存在感を放っています。

・前述の通り、“葡萄とワイン”という特産品・地元の特色を全面に押し出している図書館。その他の書籍・資料、閲覧スペース、雑誌・新聞コーナー、子ども向けコーナー、そして開館日数や開館時間などに関しては、失礼な言い方になってしまうかも知れませんが、普通です。

ただ、アニマシオンなどソフト面での取り組みは特筆すべきです。日本一に輝いた図書館だけのことはある、と感じます。

読み聞かせなどの“お話し会”が4館それぞれで毎月1~2回開かれており、夏休みこども映画会やお化けの蔵企画展など、人口3万人の市にしてはかなり充実した取り組みです。

・敷地内に“ぶどうの国文化館”が隣接していることもあり(ホームページはこちらから)、観光客の来館も想定しているのでしょう、市内、県内の観光関連の資料・情報も充実していました。“そのまちのことを知るためには、図書館が最適”とも言われますが、正にその通りでした。

実際に、私のあとに数名の中国人の団体旅行客が入ってきました。例年10月~11月の『ぶどうとワインの資料展』開催期間中は相当数の観光客が訪れるに相違ありません。

ワイン好きの方は是非!

・4館はすべて市の直営、指定管理等の運営委託は行っていませんでした。

・こんな図書館あったらいいなぁ度は8点です☆☆☆☆☆☆☆☆。旧勝沼町ほど分かり易い地域の特徴、具体的には地域の経済を支える特産品・産業(=葡萄)が明確である自治体はそう多くはありません。

例えば、開成町があじさいを全面に押し出した図書館にしようとしても、町民の生活や経済活動に直接的に深く関わるものではないことから、現実的には難しいでしょう。

ただ、ホームページにある『地域の歴史・文化・産業、つまりは「生活」そのものである「ぶどうとワイン」に関する資料収集や地域研究を、”課題解決支援“や”農業支援“と言う言葉が登場する以前から、「当たり前のこと」として実践してきている』とのコメントは示唆に富んだ重いコメントです。

次回、甘草(かんぞう)屋敷子ども図書館についてお伝えいたします。

#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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