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円安がさらに進んでいます。対米ドル相場は、今月初旬、24年ぶりの円安水準144.99銭までいきました。昨年の今頃は110円前後であったことを思うと、1年で30%以上の変動は歴史的にもかなり急激と言えます。

なぜ円安?

釈迦に説法ですが、最大の要因は引き続き金利差ですね。
米国はじめ海外諸国の物価が、コロナ禍からのリバウンド需要や、ウクライナ情勢などを受けたエネルギー・穀物価格の上昇を受け大幅に上昇し、政策金利を引き上げている一方で、日本は依然として異次元緩和を継続する姿勢を維持しているためです。

金利の高い通貨が買われて、低い通貨が売られる、典型的な相場パターンです。勿論、海外諸国の物価上昇や金融引き締めが行き過ぎて、景気が後退し(スタグフレーション)、円が反発する可能性もありますが、現時点では円は最安通貨の地位を確たるものにしています。

1970年以降の円相場(日銀データサイトより)
※実質実効円相場:物価上昇率を加味した為替レート

物価上昇

円安の影響もあり日本の物価も上昇しています。8月の消費者物価は前年同月比+2.8%、実に約31年ぶりの上昇率となりました。

米国は+8.3%、英国は+9.9%と上昇率は格段に高く、日本は、円安の影響がなければ、実は上昇率はより低くなっていた可能性もありそうです。

国内需要が他国比弱いことの表れとも解釈できますが、コロナ終息後の反動が本格化したら、海外と同様のインフレ上昇が起きる可能性を示唆しているのかもしれません。いずれにせよ、値上げラッシュ。生活への負担増がとても懸念されます。

思うこと

円安に以外にも、エネルギー価格の上昇(原油はピーク比35%ほど下げ、年初の水準まで戻りましたが、依然7年ぶりの高水準)、穀物価格の上昇(原油同様、反落も約10年ぶりの高水準)など日本経済にとってマイナス要因が依然として我々の眼前に立ちはだかっています。

物価上昇の影響もあり、生活にお困りの世帯を支援するための措置が不可欠であることは言うまでもありません。そして、より中長期的な視野にたった政策も同時に必要だと考えます。

為替もエネルギーも穀物もすべて“相場物”であり、下がりもすれば、上りもします。その上下動にできる限り一喜一憂しなくて済ますためには、エネルギーも穀物も自給率を押し上げるしかありません。ピンチはチャンス!

特にエネルギー。2050年のカーボンゼロの目標もあります、この環境下こそ、再生可能エネルギーをさらに強力に推し進めるべきではないでしょうか。

輸入依存度の高い食料(小麦16%、大豆6%等)は、輸入した方が格段に安いとされます。それでも、今回のような地政学リスクや今後の地球温暖化の影響なども踏まえ、トータルでのコストで見れば、自給率引き上げの必要性があると思えます。

最後に前向きな話として、コロナ終息後のインバウンド需要!円安の影響もあり、相当なものになると思います。倍返しならぬ3倍返しくらいしたいですね。日本は“コロナ後に行きたい国ランキング 世界1位”!自信をもって、チャンスを活かしましょう!(ランキングはこちらから

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先見と行動

山神 ゆたか

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