前回は人口あたりの図書館の数に関する話題でした。意外にも神奈川県が最下位でした。今回は私が住む、その神奈川県の足柄上郡と開成町の図書館事情について確認してみます。

「神奈川の図書館2021」(神奈川県図書館協会。リンクはこちら。)によれば、県内には現在、県立・市町村立の公立図書館が78館あります。足柄上郡5町はそのうちの7館、開成町、松田町、山北町が各1館、大井町と中井町が各2館です。

ちなみに、開成町や中井町は“図書館”ではなく“図書室”です。法律面を含め定義上の明確な違いはないようです。ハード面で独立した建物か、建物の一室かの違いがあるともされますが、厳密ではありません。イメージ的には“図書館”の方が良いとは思います。

開成町図書室

さて、わが開成町図書室ですが、各種データは以下の通りとなっています。

面積

・面積は162㎡と県内市町村別では最も狭いです。
先般、開業したキッズライブラリーができたことによって、松田町を抜いて最下位を脱したかもしれません。

蔵書数

・蔵書数は41,661冊。県内市町村別では最少です。
これは批判や悪口ではまったくなく、事実を知っていただくことによって、私が“課題である”と感じている根拠ととらえていただければ幸いです。

映像、音響資料

・DVDなどの映像資料や、CDなどの音響資料はゼロです。
中井町と愛川町もゼロですが、他は相当数の資料、ならびにそれを視聴できる設備を有しています。しかしながら、映像資料も音響資料も果たして自治体・図書館が提供するものかどうか意見が分かれるのではないか、と感じています。

そして、コロナ禍という特殊事情はあったにせよ、私が視察した図書館で視聴している人をいまだ見たことがありません。映画も音楽もネット配信が中心となる中で、あらためて需要を見極める必要がありそうです。

入館者数

・入館者数は5,555人(延べ人数)、人口比では0.30です。延べ人数で人口の30%の意味であり、実際に入館した人の数は当然もっと少ないです。

これは、県内で真鶴町0.19、箱根町0.22に次いで低い数値です。ちなみに、大井町は0.98、中井町は0.94、松田町は0.84、小田原市は0.45です。

いわゆるツタヤ図書館の海老名市は3.50、顕著な違いがあります。費用対効果・便益で見る必要があるため、単純な比較に意味はないかもしれませんが、差が大きいのは事実です。

リファレンス受付件数

・図書館の主要機能とされるリファレンス機能(質問や相談を受けて調査等に必要な資料を探すこと)ですが、28件とデータのない箱根町と真鶴町を除くと最少です。残念ながら、この機能自体が期待されていないと見なさざるを得ません。質問や相談がないわけではなく、恐らくは、国立や県立を含めたより大きな図書館に寄せられているものと推測されます。

刊行物

・刊行物とは、定期的に発行する“図書館だより”や“お勧め本の紹介”の類です。足柄上郡で発行しているのは山北町だけです。山北町は非常に充実しており、“生涯学習センター通信”を毎月、“こども読書週間おすすめの本”、“熟年世代に贈る人生を豊かにする本”など6種類を年に1回ずつ発行しています。

他にも自動車図書館の有無や催事のデータもありますが、残念な内容ばかりに終始してしまいますので、このあたりまでとさせていただきます。

感想

率直な感想としては、実際のデータは感覚よりもさらに厳しいものでした。

いずれの自治体でも同様ではありますが、観光資源や地場産業などに乏しい開成町にとっては尚のこと、人づくり自体がまちづくり、これまでも“教育”が魅力を発信する重要な手段であったはずですし、今でもそうであるはずです。
図書館の再整備が大きな課題のひとつであることを再認識しました。

次回以降、タイトル通り、“探訪記”をお届けします。初回は長野県小布施町立図書館です。

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先見と行動

山神 ゆたか

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