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図書館探訪記、訪れた順番にお届けしています。開成町の参考になるものはあるか?あれば何が? 今回は浦安市立中央図書館です。

浦安市立中央図書館 ☆☆☆☆☆☆☆☆

・浦安市は言わずと知れた東京ディズニーランドのある街。人口約17万人、面積約17.3㎢。
開成町と比べると3倍の面積に10倍の人口! 人口密度9,820人/㎢(2021/10時点)は全国1741市区町村36位。

・財政力指数1.52(2020年度)は全国市区町村中6位! 財政力が高いのはディズニーランドがあるから、と思われがちですが、法人税収は税収全体の1割に過ぎません。主には、平均所得の高さに裏付けられた(2021年 457万円、全国市区町村中21位)個人所得税の多さに因るところが大きいと言えそうです。

・浦安市には図書館はこの中央図書館1館のみですが、分館が7館、本の受取・返却ができるサービスコーナーが3か所あります。

施設の概要&感想等

・広い公園をはさんで市役所、文化会館や郷土博物館が並ぶ一帯に立地。地下鉄東西線やJR京葉線の駅から1.2~1.3㎞と近くはないですが、隣の駅は市外のため電車利用の想定はあまりないのでしょう。市内を走るコミュニティバスや車、自転車が中心と思われます。

・延床面積5,300㎡。蔵書数は分館を合わせて109万冊。中央図書館単体では66万冊。1人あたり6.44冊は県内トップクラス

・閉館日は月末日と特別整理期間、定期清掃日しかなく、11月は27日間/30日開いています
ただ、来館者数は16万人(2020年)。県内他市町と比べると決して多くなく、人口比ではむしろ少ない方です。利用登録者の率も19%と低いです。訪れた平日の午後、閲覧スペースを含め館内は比較的混んでいましたが、コアのリピートユーザーの利用が中心と推測されます。

・正規職員は31名。全員が司書資格あり!凄いですね。

・公衆無線LAN完備。
・閲覧、学習スペースとして、学習室、サイレントルーム、調査閲覧室の3種類あり。席数は331もあります!窓際はほぼすべて閲覧デスク(≒自習席)となっています。

利用は浦安在住・在勤・在学の方のみ。市外の方の利用可となれば、市民が使用できなくなってしまう恐れがあるためでしょう。

ラウンジでは飲食可。ラウンジ以外でも蓋がしまる容器であれば飲み物可

ワークスペースあり! グループ学習や発表会、講座開催、展示会などの利用を想定しており、プロジェクター&スクリーンの利用可能。“集会事業”の数や講座数は県内自治体でトップクラスであるのは、このスペースのお陰もあると思われます。

レファレンス室あり!学校の教室1室分くらいの広さ。とても珍しいです、この図書館のコンセプトが窺い知れます。この日は司書がおふたり、カウンターで待機されていました。閲覧デスクではシニア層数名が調査研究に没頭されている姿がありました。需要に見合った供給がなされいます。

・障がい者サービスとして、録音図書、点訳図書などの貸出や宅配サービス、対面朗読などが利用可能。

・読書通帳あり。

・子ども向けには、週5回の絵本の読み聞かせ会、月1回のおはなし会(ストーリーテリング)などを実施。

・書架には比較的新しめの本ばかり、日焼けした本がまったくないことに驚いていたら、新しい本と古い本で書架が分かれていました

新しい本の書架はゆとりをもって収納され、下段の棚が手前にせり出しているため、とても見易い形でした(御殿場市立図書館と同じ形状)。

古い本は繋がってはいますが別棟の“書庫棟”の書架に目いっぱい収納されていました。かなり専門的な書籍が多いのに驚きました。何をもって専門的か?私にわかる分野である金融、経済、政治、行政に関する本の種類を見た上での勝手評価です。

・ちなみに、その新旧の本を分けていることについて、職員さんに質問しましたが、とても親切に教えてくださいました。紫波町図書館と瑞穂町図書館で受けた印象と同じ、“優しい!”と感じました。やはり教育というかトレーニングを受けているのでしょう、か?

・電子図書の取り扱いはまだないようでした。”紙”の本を読むことへのこだわりがあるため?とうがった見方をしてしまいそうですが、東京のベットタウンで大学もある街の在住・在学者のニーズは確実にありそう。早晩サービス提供されるものと予想します。

3か月ごとに特集を組んでいます。この9月~11月は「本と読書~知識の森に分け入る」を開催中でした。テーマ選定のセンスがとてもいいですね。

展示コーナーに掲げられたメッセージは、
・“古今東西、人間の知的活動に本は欠かせません”で始まり、“紀元前から本はある”、
・“活版印刷の発明により普及”、“電子出版が285を占める時代に”と歴史を振り返りつつ、
・“人類の英知の結晶である「本」、そして本から少しばかりの知識を分けてもらうだけではない「読書」という営み。今回の展示ではこれらについて、本の森である図書館の蔵書からご紹介します。どうぞ本の世界をご堪能ください。”で締めくくられていました。すっかり“本”の世界に惹きこまれました。

『本棚の本』、『読書のちから』、『世界を変えた本』、『世界の書店を旅する』など、興味をそそられる“本”が紹介されていました。いつかゆっくりと読んでみたいです。

まとめ

・遊具が沢山ある広い公園とこれまた広い緑の広場に隣接する雰囲気がとても気に入りました。子どもたちの声が響き、ママ友が子どもを見守りながら、そこかしこでおしゃべりする光景は何とも和やかです。

・周囲の雰囲気の良さ、蔵書の多さとリファレンスサービスの充実、学習スペースの多さ、飲食スペース、Wifi完備、そして多様な目的に利用できるワークスペースなど、正に“あったらいいなぁ”と強く感じました。“こんな図書館あったらいいな度”は9点☆☆☆☆☆☆☆☆☆です。

#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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