目次

北海道東川町の地域活性化の具体的取り組みの最終回です。留学生支援やふるさと納税の有効活用についてお伝えします。

(4)国際交流、留学生支援

留学生を支援しつつ、しっかりと課題克服のための人材としても育成・活用し、域内消費にもつなげる仕掛け。人口減少社会に突入した我が国全体で参考にし得るものです。

留学生支援に伴う特別地方交付税に着目し、町の実質的な負担を抑えつつ、社会課題の克服や地域活性化につなげる狙い。

全国初の公立日本語学校の創設
・2009年、短期日本語・日本文化研修(3か月未満)を開始。7年間で1500人受講。
・2015年開校。講座は6か月間 or 1年間のいずれか。
・学費の1/2を町が奨学金として支援。
・寮費の半額を町が負担。
・生活費8,000円/人を支給(町内店舗のみ使用可)
・私立専門学校の学費も成績が良ければ70~140万円を支援。

・常時300~400人≒人口の5%の外国人が居住し続けることで、交付税が増加。
・総事業費4.3億円。留学生支援に関わる特別交付税が毎年3.4億円措置される。

外国人介護人材育成支援
・2019年、外国人介護福祉人材育成支援協議会を発足
・町内の専門学校の介護福祉課の留学生に500万円/2年間支給。留学生支援に関わる特別交付税でその80%が措置される。
・東川町の事業に旭川市をはじめとする近隣市町が正会員か賛助会員として参加する形。留学生は近隣市町でも貴重な介護人材として活動中。

国際教育に注力
JETプログラムを推進し、ALTのみならず、国際交流員(CIR)やスポーツ国際交流員(SEA)、JETプログラムのコーディネーターをも招へい。

(5)地場産業の育成推進

君の椅子
・世界にひとつの手作り椅子「君の椅子」をすべての新生児に寄贈。5~7万円/脚
学びの机・椅子
同じく「学びの机・椅子」をすべての新中学生に寄贈。4万円/脚。

(6)資金調達+関係人口増加

ひがしかわ株主制度
・ふるさと納税を株主制度にみたて、納税者=株主に対して、特産品などを贈る株主優待制度
・株主11,564人、寄付額 5億円(2019年)。特別町民証を発行
・特典:地元企業から限定の特典や優待、株主専用宿泊施設を無料で使用可、株主総会出席者に航空券助成、株主ファームオーナー制度あり。

寄附金の使い道を納税者=株主が決める仕組み
主な対象事業とこれまでの納税額(2008~2017年度累計)は、
写真の町整備事業2.5億円、オーナーハウス建設事業1億円、写真甲子園映画制作支援事業1.4億円、写真文化首都創生館整備事業1.1億円、水と環境を守る森づくり事業2億円など。

資金使途を特定することで、返礼品目的ではない、“思い”の詰った寄付が集まることの意義は非常に大きいです。全国の自治体で同様の資金調達が活発化しており、開成町でも是非とも取り組んでみたいです。

企業版ふるさと納税
・ふるさと納税と同様に納税者が資金使途を決める仕組み。
・2020年度の納税企業は20社。うち4社は“写真の町事業”でつながった東京のパートナー企業。
・主な対象事業とこれまでの納税額(2015~2017年度累計)は、
人材育成環境整備事業7,700万円、国際教育推進事業1,500万円(姉妹都市との相互交流)、奨学金助成事業1億円、起業家支援事業2,700万円(100万円/1人)、海外青年育成事業3,000万円(留学生への奨学金)

感想

・海外からの留学生支援に税金を使うことに対して住民の賛同を得るのは意外と難しいと推測されますが、寄附金で賄うという上手な仕組みにも見えます。

・いまでこそ大分一般化しつつありますが、使途を特定したふるさと納税の活用は納税者の思いが込められる、本来の意図に近いものです。

ただ、納税していただくには、余程の共感を得られる事業でない限りは、その町と何らかの関係や関心が不可欠です。この点に関して東川町の場合は、”写真”の果たした役割が非常に大きいと考えられます。

様々なイベントを通じて写真業界とのつながりが構築され、同時に写真界=写真愛好家、フォトフェスタへの参加者などがこの町のファンになったものと思われます。

何事も一朝一夕にはいかないこと、関係人口の重要性を説いても、現実的には長期を要することを認識しなければなりません。逆に言えば、長年の地道な努力がいつか実を結ぶものでもあることを、この町は教えてくれていると思います。

#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

お声をお寄せください
よろしくお願いいたします。

連絡先 :
090-1402-0005
yutakayamagamiyutaka.com