3月21日(水・祝)、明治大大学院主催の研究会”ソーシャル・インクルージョン(※1)とホームレス・ゼロ”に参加しました。

(※1)社会的包容力、社会的包摂などと訳される。全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合うという理念。障害者らを社会から隔離排除するのではなく、社会の中で共に助け合って生きていこうという考え方。

後援のInstitute of Global Homelessness(世界ホームレス協会)の代表や多くの外国人留学生も出席、日英同時通訳で進められました。(いきなり話逸れますが、通訳の方が秀逸でした。語学力以外にこの分野の専門的(用語の)知識もある程度求められる訳ですが、完璧でした。幅広く勉強され、さぞかし教養のある方なのだろう。英語教育の視点で興味湧きました)

東京都福祉局、同都市整備局、東京ボランティア市民活動センター 山崎美貴子所長、東京都自立支援センター、NPO自立支援センターふるさとの会、東京ジョブステーションホームレス就業支援事業推進協議会他が活動報告や課題・問題提起。各10分限定と駆け足でのプレゼンとなり、ついていくのがやっとでした。
印象に残ったのは、東京都自立支援センター”新宿寮”所長の話。東京都は5か所に自立支援センター開設。①巡回相談、②緊急一時保護、③自立支援、④地域生活継続支援の4事業を実施中。費用は都区折半。

近時の傾向・特徴は、生活に困窮し相談・入寮する人の若年齢化が進行中であること。18~22歳の利用が増加。新宿寮では入寮者の平均年齢が、平成27年の開設当初の46歳から42歳まで低下。期間工などの派遣労働かアルバイトのみ、就労経験なしの人もいる。

そして、ホームレス(路上生活)を未経験者の入寮が増加していること。ネットカフェや漫画喫茶などで夜を越す生活の末、お金が尽きてやってくるケースが多いとのこと。

神奈川県の路上生活者の8割は横浜・川崎に集中とのこと。開成町には近年は恐らくいないと思われるため(2年前まで、主に夏休み期間中、文命中保護者有志の会で夜間パトロール活動に参加。24時間営業のマクドナルドやすき家にたむろす元気のいい子はいましたが、路上生活者はおりませんでした)、まだ自分事ととしてとらえ切れずにおりますが、小田原市内には存在し、小田原交流パトロールなる団体が冬季に炊き出しや夜間巡回を実施行っている模様です。

いずれにせよ、正に社会全体で支援・包摂していかなければならない問題。雇用の問題と密接に絡みますが、この日のお話では、就労意欲の乏しさが根底にあるとの指摘もあり、ことは単純ではなさそうでした。”孤立化”の視点では、近時新しい課題とされる引きこもりの高齢化ともその根源が近いのでは、との印象も持ちました。