過日、開成町地域防災リーダーのスキルアップ研修山梨県韮崎市を訪れました。

“地域防災リーダー“とは、”防災活動に必要な知識や技術を習得し、地域の防災活動において訓練指導や災害時の応急対策活動を担うことが役目“です。開成町では、講座受講のほか、資機材の取り扱いなどの実技試験を経て認定され、認定者は47名(2021年3月時点)です。

韮崎市は地域の防災活動が非常に活発とのこと。市が認定する“地域減災リーダー”の活動がわれわれ開成町の“地域防災リーダー”の活動の参考になるのでは?ということで、講義をいただくことになった次第です。

参考まで、韮崎市は山梨県北部に位置し、人口3万人弱、面積約144㎢のまちです。東西は山地・丘陵地、市の中央に釜無川(1級河川富士川の通称)と塩川(富士川水系の1級河川)が流れます。

防災と減災

何を学んだか?をお伝えする前に一点。韮崎市では、“防災”と“減災”を明確に区別していました。

“防災”は公的機関が主体となって、主に発災後が重視される“公助”“減災”は住民や企業が主体となって、平常時から活動する“自助・共助“とそれぞれ定義していました。

各地域で自主防災活動の中心的役割を担う人々を”地域減災リーダー“と呼び、質量ともに充実した認定プログラムを実施しています。市によるその認証は公的なものと位置付けされ、”履歴書にも記載できる“との説明でした。2020年4月時点で644名が認定されていました。

※地域減災リーダー育成講座については、こちらの市ホームページをご参照ください。

地域減災リーダー養成講座の様子(韮崎市ホームページ)

また、同市での自主防災・減災活動は、同市に拠点を構える特定非営利法人「減災ネットやまなし」が中心となって展開されておりました。市役所主導ではないあたりに、後ほどお伝えしますが、“公助”に頼らない、“自助”+“共助”の精神がとても強いことを印象付けられました

この日も同NPOの理事長から、質量ともに充実したお話をいただきました。その中で特に印象に残ったことを3つに絞ってお伝えします。

減災を重視

“自然災害は起きるもの”という前提に立ち、災いを防ぐのではなく、“被害を最小限に食い止めること=減災”を明確に重視していました。平常時からの取り組みを重要視し、“減災”という目的と実践されているそれぞれ活動が分かり易く紐づけされていました。

阪神淡路大震災などからの教訓として、災害時の助けとなる割合は“自助7割、共助2割、公助1割”であることを強調されていました。“命を守るためには自助が一番大事”、“役所に頼り切りでは命は守れない”ということに対する自覚と覚悟を市民に求めるスタンスが、少なくとも開成町よりはかなり強いとの印象を受けました。

“自治会”と“自主減災組織”を再編中

地域の自主防災組織の形態を各地域の事情に合わせて、以下の3種類のタイプに編成中、向こう3年間程度での完了を目指していました。

自治会=自主防災会
ひとつの自治会内に、別組織として、ひとつの自主防災会
複数の自治会に、別組織として、ひとつの自主防災会

現在の開成町の体制は②に該当します。主に、人口の増減や、避難所の数や立地、減災リーダーなどの担い手確保の視点で高齢化の進捗度などが、その判断基準とのことでした。変化に合わせて体制も適宜見直していくスタンス、前例踏襲にメスをいれる柔軟さ、見習いたいです。

避難所の運営体制

避難所の運営について、かなり詳細にわたるまで明確に定めていました!凄いです、驚いている場合ではありませんが、意識が違います。

まず、自然災害のタイプを“警告性災害(避難に時間的余裕がある大雨や大雪など)”と“突発性災害(突然起きる大地震や竜巻、噴火など)”に分けています。

“警告性災害”の場合は、行政職員が指定避難所を開錠、受付・案内する。長期化する場合は、住民で組織される“運営委員会”に運営を移行する、と決められています。

“突発性災害”においては、住民が開錠、開設し、住民によって組織される“運営委員会”が運営を担うとされています。

繰り返しですが、“運営委員会”は自治会役員や自主防災組織の役員、地域減災リーダーによって構成され、行政職員は含まれていません

確かに、発災時は行政職員は本来業務をはじめ多忙を極めること、職員自体が被災者になり得ることなどから、“避難所に行政職員が常時いるようなことはない“と言われます。とは言え、計画段階から”住民のみ“で運営することが定められていることには正直驚きました。

まだまだお伝えしたいことはありますが、紙面の関係もあり、ここまでとさせていただきます。

今回も多くの学びがありました。前々から気になっていたこと、それは“地域防災リーダー”という制度設計はいいけれど、“実際に、いざというとき、どのような役割が期待・想定されているのか?”が具体的に見えていないことでした。

今回のお話も踏まえ、何が目的かを明確にし、訓練や研修内容もその目的にそったものとし、最終的に発災時に何をするのかを事前に周知する必要があります。

また、若干余談ですが、開成町のホームページに“地域防災リーダー”に関する情報がいっさいありません。まずはこのあたりからでしょうか・・・。

#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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