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前回、PTAのピラミッド組織とそこからの退会が相次いでいる話題について書かせていただきました。今回は、その流れで、PTAの変化・改革について触れたいと思います。
保護者の負担軽減
私が今更申しあげるまでもないですが、近年、共働き世帯の増加(※1)などにより、PTAの役員の成り手が一層不足し、活動自体への負担感も増していると認識しています。
※1 共働き世帯の数は増加の一途をたどっています(1980年 614万世帯→2020年 1,240万世帯)。逆に減少が続く男性雇用者と専業主婦からなる世帯の数とちょうど逆転した格好です(1980年 1,114万世帯→2020年 571万世帯)
また、先生方の負担軽減も課題となっており、部活動の地域移行などが具体的に進められようとしています。P=保護者、T=先生のいずれにとっても望ましい着地点はどのあたりか? 参考になりそうな事例を報じる記事を発見しました。
改革
意見交換会を定期開催
少し遡る2015年頃の話ではありますが、神戸市の某公立中学校で改革がなされました。“保護者の声に基づき、活動や専門委員会を廃止”、“学級役員を募って学年単位の活動に変更”、“役員の活動も年2回のエントリー制”とし、保護者の負担を大幅に減らした、とのこと。
減らした代わりに、“月1回、学校に対する意見を自由かつ率直に述べ合う場として、校長・管理職・学級役員による運営委員会を開催”することに。実際に“読書環境の改善やプロジェクターや加湿器の設置など、その場で出た声を反映させていった”とのことです。
要は、学校としても、保護者としても、情報の共有や意見の交換などのために“PTAの機能は必要である”との認識は共通しているということがポイントかと思います。そして、この改革において重要なのが、”保護者の声に基づき”というところです。課題をPとTで共有し、学校や行政サイドからの提案や決めではなく、保護者が声を寄せるプロセスは当事者意識をより強くもってもらう意味で、特に改革後にその意味が発揮されると思います。
役員エントリー制
役員を引き受けてくださったり、活動へも積極的な参加を望む保護者の方々もおられます。そう踏んでいるからこそ、エントリー制を敷いたのだと思います。
参加に前向きな方々の思いも受け入れ、かつ全体として負担を減らしながら、機能は果たす、という点において、正に適度な落ち着きどころであるとの印象を受けました。
変えることの勇気
前例踏襲、これが一番楽です。“変えること”には勇気がいります。これまで長年同じようにやってきたことを変えるには、相応の理由が求められると同時に、その後の責任のようなものを負うことになるからです。
この中学校での改革は校長先生が主導されたようですが、とても勇気のいることだったと思います。その後、この改革の効果・評価がどうだったかまでは確認しておりませんが、必要に応じてさらに見直すなり、場合によっては元に戻すことがあってもよいと思います。少し先を読みながら、時代に合わていくべきは変える試みを絶やさないことが大事だと考えます。
#聞きます #やります #やり遂げます
先見と行動山神 ゆたか
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