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徳島県上勝町を視察に訪れた件、引き続き“ゼロ・ウェイスト”の取り組みについてお伝えします。

ちりつもポイント

紙パックや雑紙、硬い紙芯などその対象となる資源ごみを持ち込むとポイントがもらえ、溜まったポイントとエコ商品などと交換できる仕組みです。なぜそれらが対象か?例えば、雑紙は焼却すると60円/㎏の費用がかかるが、資源として売却すると5円/㎏の収入になるからです。ここでも、コストを重視し、特に資源化を推し進めたいとの意向を反映させています。

店舗でレジ袋を断ったり、量り売り販売を実施している店舗で買い物をしてもポイントがつきます!

また、抽選が月に1回行われ、毎月8名に3,000円分の町内商品券がプレゼントされます。環境活動に地域内経済循環の発想も取り入れています。貴重な財源を使用するにあたり、複数の効果が期待できるもの、複数の課題を克服し得ることを狙うことは非常に重要です!

上履きや体操服にも交換できます。おじいちゃんおばあちゃんがお孫さんのためにせっせと貯める姿も思い浮かびます。

このポイントカードはほぼすべての町民が保有し、携帯しているとのこと。そして、この取り組み開始以降、運搬支援者(2か月に一度、車に乗れない方などを訪問してごみを収集する福祉サービス)の出動が減ったとの効果も出ているようです。

自分事にしていただくために!

リサイクル率80%の町でもこういうインセンティブ制度のようなことをやっているんだ?!との驚きもありましたが、非常に関心のある取り組みです。

何故なら、何事も、その効果が実感できたり、自分にメリットがあることを体感できることが理屈抜きで大事だと考えるからです。

やる気の心理学

話は少し逸れます。約20年前、仕事に追われ続け、社会へ貢献している感覚がまったくない日々に悶々として頃、上智大学の夜間講座に通い、心理学を受講しました。

今でも忘れられない教えのひとつが”やる気の心理学”です。“やる気が出ないのはどういうときとは?”との問い、“一生懸命やっても結果が出ないとき”と“一生懸命やらなくても結果が出たとき”との教えでした。

個人的には後者の方により強い興味を覚えましたが、前者も至極当たり前のことではありますが、とても大事だと再認識しました。自分でも同僚でも、やることやったが結果が伴わないときは、客観的に、やる気が出ない状態にあることを認めた上で、そのような局面をいかに乗り越えていくか?を考え、行動していく。ますます心理学が好きになったと同時に、この受講で気分転換もでき、その後のサラリーマン生活も何とか生き抜くことができた感じです。

インセンティブ

インセンティブ制度も、この例えと同じではありませんが、行動の成果を実感できることでやる気が湧く可能性があるという意味で共通していると思います。

町の経費削減や地球温暖化防止のために、ごみ削減・リサイクル・資源化の重要性は理解し、行動はしつつも、なかなか自分事とはならず、結局長続きしないようなケースが多いのではないでしょうか?それは他でもない、その効果・意義を実感できないことが一因だと思います。この”ちりつもポイント”も、『ゼロ・ウェイスト活動に理解を示していただけない方々に関心を寄せていただくことが当初の目的だった』との説明をいただきました。

ポイントは単なるニンジンにも見えますが、ごみを資源化すれば、いいことがあることを体感できます。以前も、あくまで私案としてお伝えしましたが、例えば、ごみ処理の経費が直近3年間の平均より減ったら、減った分の一部を町民に何らかの形で還元する案を考えています。

それは、環境活動のための資金でも、自治会の一般会計への繰り入れでも、子育て支援でも、生活困窮者支援でも、上勝町のように町内で使える商品券でも、実感できるものであれば、何でもいいと思います。複数の課題克服や効果が期待できるより有効なお金の使い方にもなります。

次回に続きます。

#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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