政策事例集 その５/９ ”３Ｒ”、”環境”

月刊「ガバナンス」にて紹介されている“全国の自治体の取り組み事例”。昨年の１月号から今年の１月号に掲載されていた事例の中で、私が興味を覚えたものを分野ごとに、開成町・足柄地域でも取り組み可能か？との視点でご紹介しています。

今回は”３Ｒ”と”環境”に関する取り組みです。

※“☆”以下は独自に調査した追加情報や山神の感想です。

＜３Ｒ リデュース・リユース・リサイクル＞

山形県最上町（８,３００人、３３０㎢）“リユースＰＣの地域再利用”

・ソフマップ社から“地域で再利用する仕組みを構築するための実証実験”を提案。
・町役場で使用済みのＰＣ４７台をセキュリティ対策を施した上で、町内の団体に無償譲渡。
・公募の結果、町内会（８地区）に９台、商工会に５台、事業者・農業者に１３台等を寄贈。

※事業内容に関する資料はこちらから

☆リユース！大事ですね。例えば、町内会にデジタル化を促すに際しても、デジタルデバイドなどの課題以前に、コストが問題になることも想定されますし。

町としてのコスト負担等、もう少し調べてみます。

岩手県山田町（１５,１００人、２６３㎢）“閉校物品をメルカリに出品”

・閉校した小中学校で使用していた物品をフリマアプリ「メルカリ」に出品。
・循環型社会の実現に向けた取り組み。
・処分費用も節約できる。売上金は町の財源として活用。

※町からのお知らせはこちらから
※「山田町メルカリｓｈｏｐｓページ」はこちらから（２０２３年１月１５日時点）

☆愛知県蒲郡市も“メルカリＳｈｏｐｓ”を開設し、使用可能な粗大ごみを出品。山田町や蒲郡市はじめ、全国２１の自治体（２０２３年１月時点）がメルカリ社と「連携協定」を締結。ただ、学校備品の出品は全国初とのことです。

手間がかかり、業者に処分を委託した方が楽であるのは間違いないです。ただ、循環型社会に向けた啓発にもなり、コスト削減と収入増加にもつながる（売上額や人件費にもよります）意義のある事業です！

☆ちなみに、山田町の出品・売り上げ状況は？ これまでに１４９品出品、１２５品が“ＳＯＬＤ！”。
総売上額は約１０２万円。最も高価なものはフレンチホルン４７,５００円、安いのは鳴子４組セット６００円。１００万円は大きいです！。

南足柄市の認定ＮＰＯ法人ＡＩＭＥＣ（私も一応会員です）が実践されているように、中古楽器を寄付によって集め、アフリカなどの発展途上国に贈る活動も非常に有意義です。形はと異なりますが、いずれもリユース！ 循環型社会の構築に向けて今後ますます大事になってくるでしょう。

＜環境＞

北海道蘭越町（４,６００人、４５０㎢）“もみ殻燃料棒”

・廃棄物処理していたもみ殻をバイオマス発電のエネルギー源に。
・１/１０に圧縮した“燃料棒”を開発。家庭用薪ストーブやＢＢＱ用などに販売。６６０円/１０㎏。

※町からのお知らせはこちらから

☆開成町においても、もみ殻を田んぼで燃やしにくくなっている中、農家サイドの課題解決につながる可能性を秘めています。もみ殻を運搬する負担が発生しますが、仕組み次第では、燃していたものが収入になる可能性もあるでしょう。

ただ、設備投資などの費用対効果の視点で、相当量のもみ殻が必要になりそうであることから、広域での連携が不可欠な事業だと思えます。

大阪府太子町（１３,３００人、１４㎢）“ゼロカーボンシティ推進型自販機”

・太子町とダイドードリンコ(株)が包括連携協定を締結。太子町産みかんを活用した活性化策を展開中。
・売り上げの一部が、市のゼロカーボンシティの推進事業に寄附される自販機をバス停や公園に３台設置。（具体的には大阪府環境保全基金に寄附）
・停電時に飲料が取り出せる“災害救援自販機”にもなっています。

※Ｃｏ₂ゼロ自販機に関する報道はこちらから（太子町の事業に関するものではありません）
※災害対応支援の自販機に関する報道はこちらから

鹿児島県西之表市（１５,０００人、２０６㎢）“デマンド型タクシーにＥＶ追加”

・稼働中のデマンド型乗合タクシー（１０人乗りワゴン車５台）に、新たにＥＶ４台（４人乗り）を追加。
・事前予約が多い場合はワゴン車で運行、少ない場合にＥＶ車で運行。
・出光興産らと共同で、Ｃｏ₂排出量の削減効果や、公共交通維持にかかわる財政負担の低減効果などを５年間にわたり検証する。
・運賃は小学生以上３００円（巡回バスは１００円）
※出光興産のプレスリリースはこちらから

☆出光興産は他にも、さいたま市と「ゼロカーボンシティ実現に向けた共創推進の連携協定」を締結、宮崎県国富町にて「車両管理システムと連携したエネルギーマネージメントシステムの構築と実証実験」を実施するなど、環境分野の事業を活発化させている模様です。この分野も“公民連携”が不可欠かつ極めて重要です！

今回はこのあたりまでとさせていただきます。次回は、”教育”、”子育て支援“に関する取り組み事例をご紹介します。