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紫波町を再訪、オガール視察研修を受けた件。

オガールプラザをはじめ各複合施設では、建ててからテナントを募集する従来方式ではなく、まず、市場調査等を踏まえテナントを募集し、必要な床面積と工事価格を設定してから施行する逆算方式を採用。結果として、入居率は開業当初から、そして今も100%!となっています。

逆算方式

なぜ逆算方式? それは、オガールプロジェクトが、「まちづくりとは、不動産価値の向上である」との考え方に基づき進められたからです。

非常に簡略化すると、消費活動を目的としない訪問者が増えれば、活気が生まれ、不動産価値が上昇する、との考え方です。公務員ですと、“地価の上昇を目指す”と思っていたとしても、表立って掲げられないように思えます。正に、民間の知恵・ノウハウ・活力を活かす公民連携のメリットと、エージェントの意義が発揮されたものと強く感じます。

実際の地価は?

基準地価は見事に上がり続けています。紫波中央駅4丁目の地価は、2012年の35,000/㎡から10年連続上昇しています。昨年は42,600円/㎡、10年間で20%以上も上がったことになります。

ただ、オガールエリアの地価は上がり続けているものの、町全体の地価平均は2002年から17年連続で下落しました。2019年以降、昨年まで4年続けて上昇し、ちょうど10年前の水準を回復した格好です。

ちなみに、人口は2005年に34,564人でピークを打った後、ゆるやかながらも減り続けており、昨年3月時点では33,024人でした。それでも減少率は県全体の平均よりはかなり低い水準です。オガールプロジェクトのお陰と言えると思います。

2014年7月 民間複合施設 オガールベース 完成

宿泊施設、世界基準のバレーボール専用体育館、飲食店、コンビニなどが入っています。

2015年5月 紫波町役場新庁舎 開庁

2016年12月 官民複合施設 オガールセンター 完成

小児科、紫波町こどもセンター、紫波中央病児保育室、英会話学校、ベーカリー、スポーツジム、アウトドアショップなどが入っています。

地域内経済循環

これら3つの複合施設(オガールプラザ、オガールベース、オガールセンター)はすべて地元の業者が施行。ゼネコンはまったく参入しておりません。

町独自のエコハウス基準の住宅街オガールタウン(57戸)や、オガールエリアに熱供給する木質バイオマス発電における町産材の活用、産直・紫波マルシェでの地産地消などを含め、全面的に“地域内経済循環”が推進されています。

雇用創出

オガールプロジェクトの計画に先立ち、方針のひとつに掲げたのが雇用の創出。現在、オガールエリア全体で276名の雇用を生んでおり(2021年の実績)、概ね目標は達成できている、とのことでした。

公民連携の勘所

先生ひとりに生徒ふたりだったため、いろいろ質問させていただきました。デザイン会議の意義やコスト、当初産直マルシェに期待していなかった理由と想定外に成長した要因、ワークショップの詳細(規模、頻度、手順など)、デマンド型交通による集客効果の有無・・・等々。

愛知県の自治体職員は一級建築士ということで、私とは異なる視点から、思いもつかない質問が多く、とてもよい勉強になりました。ラッキーでした!

最後に、公民連携の勘所について、最も印象に残ったことば=教え。『公民連携に公式はない。それぞれの市や町の事情、環境による。同じものはあり得ない』、『大事なことは、官は民に委ねる勇気があるか?民を下に見ていないか? 民はパブリックマインドがあるか?商売が増えさえすればよいと考えていないか?』

ご自身の経験を踏まえた重く、示唆に富んだことばです。しっかり胸に刻みました。開成町のために活かしたいです。

#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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