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先日、大学院にて、岐阜県飛騨信用組合のご担当者から、同信組の地域創生への取り組みについて、本題としてはデジタル地域通貨「さるぼぼコイン」について講義をいただく機会に恵まれました。

「さるぼぼコイン」は地域通貨の先駆的かつ成功事例として、地方創生の視点のみならずキャッシュレス化や行政のデジタル化の視点からも注目度が非常に高い事例です。私自身も地域内での経済循環や、ポイント化によるボランティア活動の活性化、寄附の文化の定着などの観点で、以前から強い関心があり、気合いを入れてお話をうかがいました。

キャッシュレス決済

まず、講義の内容についてご報告する前に、“キャッシュレス化”についておさらいしてみます。国としても積極的に推進しているキャッシュレス化ですが、その主なメリットや狙いは、①利便性の向上、②お店側の業務の効率化、③非接触であること、④データの活用などです。国としては、年間数百億円ともされる通貨発行コスト(紙幣や硬貨を発行し運搬する費用)の削減効果も期待しているようです。

日本におけるキャッシュレス決済の比率は約30%。意外と低いと感じますが、金額における比率のため、家や車など高額な決済は現金決済の比率が高いことが影響していると推測されます。件数ベースで見ればもっと高いのではないでしょうか。

ちなみに、トップの韓国は95%、2位は中国で77%です。先進国で日本より低いのは18%のドイツだけです。

キャッシュレス決済の種類

その種類を大別すると、①クレジットカード、②デビットカード、③電子マネー、④コード決済の4つになります。前述のキャッシュレス決済の比率30%のうち、クレジットカードが26%を占め、その他はまだ1~2%と低水準です。

さるぼぼコインのところで触れるため、詳しくおさらいさせていただきますが、コード決済のひとつにQRコード決済があり(Quick Response)、そのQR決済には決済の度にコードが異なる動的コードと、お店毎に常に同じ静的コードの2種類があります。

動的コードはお店が提示するケースと消費者が表示するケースの両方がありますが、静的コードはお店が印字したコードを消費者が読み取って金額を打ち込むケースのみとされています。

地域通貨・ポイントとは

さて、前置きがさらに長くなりますが、地域通貨・ポイントが何たるかについても触れさせていただきます。

地域通貨とは、簡単に言うと、“限定された地域で流通し、決済手段として使用されるお金”となります。

その目的は、地域の事情によって異なるでしょうが、“地域内でお金を回すことによる地域経済の活性化”は概ねすべての地域に共通していると考えられます。その地域ならではの付加価値(イベント参加や観光・農業など様々な体験など所謂“コト消費”)との交換も可能であり、地域とのつながりや絆を強め、コミュニティを形成することも狙いになり得ます。

また、決済手段としては税金や公共施設の利用料、各種公的証明書の発行手数料、そして水道料金など公共料金や電気代・ガス代の支払いなどに利用でき、実際に今回ご紹介する“さるぼぼコインでは利用されています。

さらには、決済機能のみならず、例えばボランティア活動への謝礼や電気代・ガス代などへのポイント付与、健康増進事業へのポイント付与などに活用している事例もあります。

そして、寄附も可能で、思いを届けることにより、社会課題の解決につなげる試みもされています。

次回、講義の内容と踏まえ、地域通貨の可能性を探ってみます。(年明けになると思います)


#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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