前回の続きです。

昨年末視聴した日本政策投資銀行主催のオンラインセミナー“地域と取り組む学校部活動改革”では、部活動の指導に外部人材を採用するモデルとして2つのモデルが紹介されました。

民間指導委託型

スポーツの指導などを生業とする民間企業等(例:スポーツデータバンク株式会社)が自治体の教育委員会から“指導業務の委託”を受けるもの。委託を受けた企業は地域で活動している様々な団体(プロスポーツ、地域型スポーツクラブ、民間スクール、実業団・大学、フリーランス等)と連携して現場に指導者を送り込みます。

問題はやはりコスト。先行事例である杉並区の場合は自治体として教育委員会の予算から資金を拠出、沖縄県うるま市の場合は市商工会と連携して企業からの協賛金で一部を賄っているとのことでした。協賛企業は学校内での宣伝やアンケート、サンプリングなどが行えるというメリットを享受する仕組みです。

実践研究中の取り組みにおいて、企業版ふるさと納税を活用して地域外からの資金調達も検討しているとのことでした。理屈ではなく、先立つものがなければ、やりたいことができない。教育分野も例外ではありません。

スポーツデータバンク株式会社では、現在、東京都日野市や千葉県流山市など11自治体・50校の121部活動で実践研究を展開中とのこと。埼玉県白岡市では昨年、公募の結果、地元企業の代表者が設立した団体が委託先に選定され、市内4つの中学校の運動部、文化部の両方に指導者を送り込んでいると報じられていました。

地域部活動型

休日の部活動を学校の管理下から切り離し、地域のスポーツ活動として行う仕組みです。例えば、自治体の教育委員会が運営主体となり、必須ではないと思われますが、目下の想定では民間企業に運営を委託し、○○町スポーツクラブのような“地域部活動“を設立する。平日は部に所属している生徒に対して、外部人材が指導にあたり、休日は所属していない子どもたちも参加が可能というもの。ただ、休日の参加は、部に所属している子もしていない子も基本的に有料とするものです。

開成町では

開成町教育委員会が公表している“開成町立学校に係る部活動の方針によれば、”部活動顧問間や部活動地域指導者等と役割を分担して、生徒の活動が充実するよう努める“、”学校や地域の実態に応じて、地域の関係団体との連携、保護者の理解と協力、民間事業者の活用等による、学校と地域が共に子どもを育てるという視点にたった、学校と地域が協働・融合した形での地域における環境整備に努める“とされています。

外部の人材活用の方針が明確に示されており、実際に私の知り合いも学校長と面接の上、登録し、主に休日に軟式テニス部の指導を行っておられます。

ただ、報酬はなしとのことです。他市町では、役割など詳細は様々異なると思いますが、有償の事例も見られます。海老名市では“1日2時間以上で2,000円”、綾瀬市では“1時間あたり1,200円”となっています。

令和3年度の文科省の予算においては、“補修等のための指導員等派遣事業”の“中学校における部活動指導員の配置”に12億円(前年比+1億円)が配分されています。補助対象は報酬と交通費等とされており、費用の負担割合は国、都道府県、市町村がそれぞれ1/3ずつです。

今後は各自治体で取り組み加速?

今後の取り組みに関しては、この予算を申請する事業とするか否かを含めて、各自治体次第でしょう。ただ、文科省として“休日は指導に携わる必要がない環境を構築する”と明言している以上、無報酬の町民ボランティアに委ね続けることはひとつの選択肢ではあるものの、現実的には難しくなるのではないでしょうか。

生徒との関係性や保護者対応など非常に難しい一面もあると思います。その点で、民間企業への委託は、指導のプロであること、生徒や卒業生の親などと比較して中立的な立場であることから、検討し得る選択肢だと思えます。ただ、開成町の場合、中学校がひとつしかなく、財政的規模と余力を踏まえれば、単体では非常に割高な契約となる恐れもありそうです。

各町の中学校の事情も異なることから早計な議論は禁物ですが、人口規模の小さな自治体が個別ばらばらに取り組むよりは、足柄上郡全域で、もしくはより広域で連携して取り組む方が、少なくともコスト面では効率的と言えるでしょう。県西地域では既に、少子化の影響で、種目によって廃部を余儀なくされるケースも聞いております。いずれ、高校野球のように合同チームによる参加や、“地域部活動”の対象エリアが行政境を越えて複数の自治体が合同で運営するようなケースも想定されることも踏まえれば、連携の道も模索すべきでしょう。

部活動が変わろうとしています。皆さんはいかがお考えでしょうか?お知恵をお寄せください。


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先見と行動

山神 ゆたか

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