遅ればせながらマイナンバーカードを作りました。とは言え、昨年8月時点での普及率は依然10%足らず、これでもかなり早い方ですね。マイナンバーカード発行のメリットとして、いくつかの行政手続きの簡素化等が挙げられてます(詳しくはマイナンバー総合サイトマイナポータルから)。しかし、現時点では通知カード+身分証明書で足りてしまったり、電子証明書として利用する場合はカードリーダーの購入が必要であったりと、メリットを実感できるレベルではありません。

さらに、過去の消えた年金問題や個人情報漏えい問題などに国のシステムへの信頼が高くはないことや、カード紛失リスクなども、普及率が上がらない理由と言えましょう。

コンビニでの住民票等交付も利便性は向上するも、利用者が支払う負担は変わらず、インセンティブは働いておりません。行政側のコストも役所窓口でのマニュアル対応の方が依然としてかなり低く抑えられる現実に、ジレンマに陥っているはずです。

千葉県柏市の広報(2017年10月号)によれば、住民票一通あたりのコストは2,390円。千葉県某市で市議を務める明大大学院の学友がその某市で調査したところでも、一通あたり1,500円以上との試算結果であり、少なくとも現時点では税金の無駄遣いとなってしまっています。

神奈川県でもコンビニ交付のサービスを提供しているのは政令指定都市3市を含め11市だけ。町はゼロ。無理もない話です。

国の方針に一時的にせよ反することにはなりますが、韓国の様に自動交付機を自治体が自前で設置、もしくは業者負担で設置+手数料支払いとするなど、他の手段も十分に検討すべき事態です。

如何にして普及率を上げるか?総務省の先進事例集(マイナンバー取得促進)を参考すると、成人式などのイベント利用や、企業・自治会などの団体との連携は効果がありそうに思えます。

しかしながら、最終的には利便性の著しい向上、特に手続きの面倒な確定申告や年金請求、相続、各種保険金・補助金・助成金の申請などにおいて、それこそカードを提示すればそれで完結する程のものが求められると思います。

そのためには、利用者の家族を含めた所得や資産・負債状況、各種保険や社会保障の納付・支給状況などの情報が一元化される必要があります。目下の”縦割り”状態では残念ながら非現実的な話であり、結論としては、引き続き普及は進まない可能性が高いと予想されます。

しかも、仮に上述の様に利便性が著しく向上するケースに至るとしたら、その時はマイナンバーを利用して、自宅PCで手続きが完結する水準まで国のシステムが進歩しているはずであり、必ずしもハードのカードを保有する必要はなくなると想定されます。

いずれにせよ、交付されたカードが、妻・大学生と高校生の子・母を持つ50歳台の男性世帯主にとって、どこまで有用かこれから体験してみます。