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東日本大震災から11年、多くの方が当日のことを回顧されていました。私は東京駅八重洲のビルの39階で仕事中に遭遇しました。ビルが折れるのでは?、窓際のコピー機が窓を突き破って地上まで落下してしまうのでは?直後はそんなことが脳裏に浮かびました。

外に出て、”1ミリも動かない車の大渋滞”を見た時、首都直下型地震が起きたら、”パニック”なんて生易しい事態ではすまない、と感じました。

さて、データで見る開成町シリーズ”財政編”は引き続きお休みさせていただき、議会傍聴の報告をさせていただきます。

3月4日、7日そして10日と、開成町議会を傍聴しました。一般質問と答弁について、私なりの感想等を記したいと思います。

開成町議会 ダブル受賞!

ご報告の前に、嬉しいニュースから。開成町議会の『ギカイだより(令和3年8月1日発行分)』が全国町村議会広報コンクールにおいて“奨励賞”を受賞されました。おめでとうございます!

さらに、議会におけるICT化推進の取り組みが、全国町村議会表彰を受賞されました。おめでとうございます!関係各位のご努力・ご尽力の成果であり、敬意を表します。

小児医療費助成制度の拡充を

<一般質問・答弁>
「小児医療費助成制度の対象年齢を18歳まで拡充を」 前田せつよ議員

前田議員から、“町民からの声やお困りである実状をご紹介されつつ、コロナ禍で家計が厳しい状況にある中で、こどもの健康を守るために、小児医療費助成制度の対象年齢を現行の15歳年度末から18歳年度末まで引き上げるべき“、との意見が出されました。

町側の答弁は、要約すると”様々な子育て支援の政策の中で、今後、総合的に判断する“との内容でした。

<感想等>
まず、この制度は国の制度に上乗せして、都道府県や市町村が独自に実施する“地方単独事業“です。

県下の市町村の現状を見てみます。令和2年4月時点での実施状況は、下の厚労省資料「乳幼児等医療費に対する援助の実施状況」の通りです。

「乳幼児等医療費に対する援助の実施状況(令和2年4月1日現在)」

足柄上郡5町の援助実施状況
足柄上郡5町においては、
・援助の対象年齢は、この時点では、大井町が”通院・入院とも18歳年度末まで“大井町以外の4町は“15歳年度末まで”でした。その後、松田町が今年4月より“18歳年度末まで”に引き上げることが、昨年12月の議会で決定しました。

所得制限は開成町だけ“あり”、他の4町は”なし”です。

一部自己負担(例えば、受診者が1回あたり500円を窓口で負担する等)は5町とも“なし“です。

生活困窮者支援と子育て支援は分けて
対象年齢の引き上げや所得制限の有無の是非を問う前に、気になったことがあります。町長はじめ町側の答弁内容は、“医療費助成=子育て支援≒町の魅力発信と定住人口増加のための支援”ということが所与の前提であるかのように感じられ、違和感を覚えました

確かに、医療費の助成に関しては、全国の多くの自治体が定住人口の増加のため、もしくは減少を食い止めるための対策として打ち出しています。競合する自治体間では、この医療費助成に限らず多くの政策でお互いを意識・比較しながら、競い合いを演じている実状も十分承知しています。

しかしながら、本来は生活困窮者への支援という課題と、定住人口の増加を目的とした子育て支援とは分けて議論すべきだと考えます。

さらに、国レベルの話となりますが、一定以上の収入のある後期高齢者の窓口負担の引き上げ(1割→2割。現役世代の負担軽減効果は830億円、ひとりあたり800円に過ぎないとされています)が決定した中で、特に東京都の”対象年齢引き上げ”によっていっそう煽られる可能性のある自治体間の競争を看過していてよいものか、との疑問も感じます。

出生率の低下や非婚化の一因に、”将来の不透明感≒生活していけるか不安”があると思います。その背景には、医療費にしても年金にしても、減少する現役世代が、増加する高齢者を支えるための負担の重さがあると考えます。よって、政策としては子どもの医療費を無償化するのも大事ですが、若者や現役世代にとって、主に経済的な面で将来の見通しが立つための策の方がより重要であり、効果があると思います。

生活保護制度や高額療養費制度など各種支援策はあるものの、前田議員が実例をご紹介されたように、お子さんの数や年齢、難病の発症、保護者の雇用の状況などによって一定期間、追加の支援が必要になる事態は起こり得ますし、実際に起きています。そのような状況の世帯に対して、国や県の支援制度がない場合に、町として何ができるかを議論し、決めていくべきでしょう。

自治体の負担増を試算
ちなみに、対象年齢を15歳から18歳に引き上げた場合、自治体の負担はどの程度増えるのでしょうか?

メディアで報じられたところでは、松田町は350万円(16~18歳の推定人口は270人前後 ※RESASの5歳階層ごとの人口から推測)、大井町は600万円(同570人前後)とされていました。

開成町の場合は、推定人口が大井町と同程度の570人前後であることから、負担増も大井町と同程度と考えられます。

ただ、厚労省のデータ「1人あたりの医療費自己負担額」で見ると、平成29年度の15~19歳の自己負担額は1.8万円となっており、単純に計算すると、1.8万円×570人だと約1,000万円になります。とりあえずご参考まで。

<医療費 自己負担額(厚労省資料)>

明日以降、他の一般質問についてお伝えします。

#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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https://yamagamiyutaka.com/archives/4784
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