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まん延防止措置がいよいよ明日を期限に解除。新規感染者数も緩やかながら減少中、このまま終息を願いたい。

3回目のワクチン接種率は30%程度、春休みシーズンで再拡大の懸念も拭えないが、それぞれが、感染拡大防止に努め、経済を回す両立を図っていくしかない!

さて、データで見る開成町”シリーズ、”開成町の財政”の最終回、全体を総括してみます。

総括

開成町の財政について、一応一通り確認してみました。

自治体は、住民の“福祉の増進“≒”幸福”が主たる目的になります。福祉の増進は必ずしも、お金があれば達成できるものではありませんが、財政は豊かであるに越したことはありません。

加えて、地方自治法第2条に、“最少の経費で最大の効果を挙げなければならない”と定められています。今回見てきた個別の指標を分析することも大事ですが、最終的にはこの“最小の経費で最大の効果”を本気で目指さなければなりません

抜群に良い数字はない。全体として平均的
さて、開成町の個別の数字で、全国や県下、類似団体との比較において、抜群に良いと言えるほどのものはありませんでした。一方、自主財源比率や財政力指数、経常収支比率など重要な指標は決して悪くはなく、県下でも概ね平均的と言えます。

借入に関する指標を懸念
気になるのは、借入に関連する指標です。具体的には、借入残高、実質公債費比率や将来負担比率です。

まず、借入額ですが、公営企業会計を含めて総額約100億円。過去最大規模に膨らんでいます。それでも、全国の類似団体の平均額よりは少ないため、“問題ない”としてもいいのでしょう。

ただ、やはり神奈川県という立地の下で、県下の市町村と比較することが妥当です。その意味で、実質公債費比率や将来負担比率は県下で下位に沈んでいることは、改善を図る余地があると認識しています。

神奈川県下 市町村 実質公債費比率
神奈川県下 市町村 将来負担比率

駅前通り線事業で借入増加の可能性
そして、近い将来、都市計画道路“駅前通り線”の事業に多額の経費を要することが確実であることから(総額約40億円、想定される町の負担約30億円)、これらの数字が近い将来急速に改善することは難しいと思われます。

インフラ恒久化に伴うコスト
さらに、インフラの老朽化の問題があります。正に私が今、東洋大学大学院公民連携専攻で学んでいる主要テーマであります。

自治体によって多少の時期の差はありますが、概ね高度経済成長期に建設された橋や道路、上下水道、町立幼稚園・小学校・中学校、ごみ処理施設などの老朽化が進み、その更新や長寿命化のコストが重くのしかかってきます

全国の自治体にとって、少子高齢・人口減少が進む中で、公共施設の集約や統廃合、複合化、多機能化などの対策が今後の最重要課題となってきます。トータルコストを削減するためには、完全に老朽化してから手を打つよりは、事前の措置がより効果的とされていますが、ない袖は振れません。

福祉の増進のために、財政がより豊かであるためには
財政がより豊かで、より健全なものであるためには?ある意味単純です、入るお金を増やすか、出るお金を抑えるかしかありません

収入を増やすために
・入るお金を増やすためには、まずもって企業誘致です。働き方も変わりつつあり、省力化も進むなかで企業誘致は効果がないとの声もあります。しかしながら、少ないとしても雇用は生まれ、固定資産税等の税収も入ります。ましてや開成町は南足柄市との間で産業ビレッジ構想を締結し、今日でも連携して誘致を図らなければならない状況にあります。

・そして、言わずもがなですが、人口増加です。効率的・効果的な行政運営のためには、”規模の利益”すなわち人口の増加は極めて重要です。住民税と固定資産税が町の収入になりますし、商店などにとっても住民の数=潜在的な顧客の数になります。

・町の物理的な価値、すなわち”地価”の上昇、もしくはできるだけ下がらないことも大事になります。ひとえに中長期的なまちづくりの巧拙に因るところ大です。

補助金・助成金の積極的な活用も図らなければなりません。“国への依存”は良くないとの批判も承知していますが、国が示す方向性に賛同し、その促進のために各種補助金が用意されているのであれば、活用しない手はありません。最近ではデジタル化や働き方改革、SDGsなどをテーマとしたものが多いと承知していますが、開成町の場合は、職員さんが手一杯なのか、積極的な姿勢があまり見られません。それでも人口が増えているからよい、との雰囲気を感じざるを得ません。

支出を抑えるために
出る方に関しては、公民連携、住民との協働をいっそう深めていく必要があるでしょう。行政の領域を民間が担う専攻事例は、すでに各分野で見られます。
先入観として、民間は行政の下請けといった認識がいまだに強いかと思いますが、原則対等です。今後はますます対等な関係に向かっていくと確信しています。

最後に、お金の出入りの両方、全体として“地域内での経済・お金の循環”をもっと意識して運営すべきでしょう。地産地消もそのひとつですが、住民の皆さんが地域の企業や地域のお店をもっと使っていただくような仕掛けを施し、地域内の企業・店舗が利益をあげ、最終的に、税金として循環する形です。全国で地域通貨や地域ポイントが増加しているのは同様の発想に基づくものです。町単体では市場規模が小さく、できないことも多々あるでしょうが、足柄地域の課題として、連携して取り組むことがますます重要になってくるでしょう。

以上、長くなってしまいましたが、まとめとさせていただきます。がんばろう開成町!頑張ろう足柄地域!

データで見る開成町 財政編 シリーズ

#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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