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2月は「いじめストップ!」のピンクシャツデー月間。私も本日、タンスで眠っていたピンクのシャツを着て、小田原市でのイベントに参加してきます。
さて、前回の続きです。“データで見る開成町”シリーズ、“通勤と移住”の最終回です。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
前回、以下の4点を確認しました。
① 開成町にお住いの方が、どこに通勤されているか
② 町外のどこから、開成町内の勤務先に通勤されているか
③ 開成町から、町外のどこへ移住されたか
④ 町外のどこから、開成町へ移住されたか
今回は、①と③、②と④それぞれデータセットから示唆されることを考察してみます。
どこへ通勤+どこへ移住
① と③を一覧にすると以下の通りとなります。
・一目瞭然ですが、通勤地と移住先には高い正の相関関係があります。ただ、いずれも近隣の市町の間がほとんどであり、移住が通勤距離や時間以外の要因に因る可能性が高い/通勤距離や時間が決定的な要因である、と考えるには距離が近すぎると考えられます。よって、この相関係数の数値自体にはあまり意味はない、と言えると思います。
いずれにせよ、遠方ではなく近隣市町で働いている方の割合が高いこと、遠方ではなく近隣の市町への移住の割合が高いことは事実です。
・市町村別で見ますと、箱根町と静岡県御殿場市は、通勤している人数が比較的多いが、過去10年間で移住者が10名を超えたことがない点で、他の市町とやや異なります。
この場合は、開成町側の要因を探るよりは、箱根町や御殿場市の人口増減を見た方が実態を掴めるのかもしれません。
箱根町は人口の流出が続いており、ほぼすべての自治体に対して転出超過になっています。転入者数だけみてみると、上位は小田原市や御殿場市以外、横浜市や福岡市、相模原市、世田谷区など遠方の自治体が占めており、神奈川県では特殊なケースと言えます。よって、開成町からの移住が多くないことは特段注目すべきことではないと言えそうです。
・横浜市や川崎市は逆に、通勤している人数との比較において、移住者が他市町よりも多いです。進学に伴うもの含まれているとは言え、遠距離通勤が一因である可能性があります。コロナ禍で加速した働き方改革の中で、サテライトオフィスや借り上げ住宅の誘致、リモートワークの環境整備が効果を発揮する可能性は十分にありそうです。
実際に、国としても”転職なき移住”の実現を目標に掲げ、テレワーク普及のための補助金も用意しています。以下、参考資料・参考事例を添付します。
・また、昨年、秦野市の人口減少が例年比非常に多かった要因に、リモート授業の増加などを受け、大学生の移住が減ったことが挙げられておりました。
将来的に、コロナが終息したとしても、学び方の変化から学生の移住が減る可能性もあると思います。東京の大学に進学したとしても、開成町に住み続けるという選択をする若者が増える可能性がある、ということです。そのためには、バイト先など働く場の有無や、図書館などの学習環境をはじめとする魅力あるまちづくりがカギとなってくると考えます。
働き方改革とデジタル化・デジタル田園都市国家構想でいうところの“転職なき移住”に相応します。(もちろん職種によるますが)どこからで働ける、どこからでも学べるという発想です。
・関東地方で人口が増えている小規模自治体についても調べてみました(茨城県阿見町、山梨県昭和町、栃木県野木町、埼玉県滑川町)。
通勤と移住のいずれにおいても、開成町と同様に、近隣の市町村との間が大半でした。そして、それらの近隣市町村の人口はすべてではないものの、概して減少しており、経済圏とされるエリア内ではゼロサムゲームの様相であることを再確認しました。
どこから通勤+どこから移住
② と④を一覧にすると以下のようになります。
・通勤地と移住先の関係と同様に、相関関係は非常に高いですが、近隣の市町との間がほとんどです。
・横浜市や川崎市など遠方の大都市からの移住者も比較的多いです。
退職後のセカンドライフの地として選ばれた方々も少なくないと思われます。また、転出のケースと同様に、通勤の距離や時間が最終的な移住の決め手となった可能性もありそうです。
・定住人口の増加を促進するためには、”通勤者数が比較的多い割に、言い換えれば仕事を通じて縁や関係がある、もしくは職住近接の視点で潜在的に移住への関心がより高いとされる割に、移住が少ない自治体をターゲットにしたプロモーションが有効”と考えます。具体的には、厚木市や平塚市、海老名市、茅ヶ崎市などです。
1年ほど前から、東京からの人口流出が続いており、その受け皿として湘南エリアが人気化していますが、臆することなく営業すべきです。通勤距離や時間に加えて、地価の安さや東名高速へのアクセス、ゴルフ場や釣り場へのアクセスなどに魅力を感じる方も一定数おられると思います。
関東圏の人口増加自治体も同様
・関東地方で人口が増えている小規模自治体についても調べてみました(茨城県阿見町、山梨県昭和町、栃木県野木町、埼玉県滑川町)。
通勤と移住のいずれにおいても、開成町と同様に、近隣の市町村との間が大半でした。
そして、それらの近隣市町村の人口はすべてではないものの、概して減少しており、経済圏とされるエリア内ではゼロサムゲームの様相であることを再確認しました。
足柄地域が一体で推進
開成町はベットタウンの町であることから、必ずしも開成町内でなくても、近隣市町に働く場が増えれば、小田急線の急行が停まる駅としての利便性などから、人口が増える可能性があります。
よって、広域で連携しながら、一体となって企業誘致やリモートワークを含めた働く場の創出、起業の支援などに取り組むことは、win-win、三方良しとなり得ます。
アサヒビールさんの工場操業停止など嬉しくないニュースが飛び込んできた矢先であり、先行きを楽観視できる状況とは言いにくいですが、危機感をバネに、地域の総力を挙げて頑張るしかないです!!!
#聞きます #やります #やり遂げます
先見と行動山神 ゆたか
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